XviD+午後のこ~だでビデオ保存
2004年からはOGMファイルをやめて、XviD+MP3のAVIファイルに戻ってきました。その理由は、ネットワークプレーヤーなどの家電、すなわちDVD-Rに書き込んだAVIファイルを再生可能な製品が2003年末から登場したためです。PC上ではシーク速度を考えれば最高なOGMファイルも、再生互換性という面ではAVIファイルやMPEG-1/2には及びません。まだネットワーク対応プレーヤーは購入していませんが、今後登場するのかもわからないOGM対応のそれらの製品を待つよりも、AVIファイルで作成したほうが手早いと判断したわけです、はい。
節操のないやつといわれるかもしれませんが、常にデータ作成時点でのベターを追求しているだけなんですよぉ。お気に入りのデータは「AVIをOGMに変換」の手順でサクッとOGMにしてHDDに残しています。保存はAVI、PCでの再生はまだOGMを使っているという状態です。
用意するもの
2003年後半の手順から移行しているので、それほど大きな差異はありません。そこで紹介しているlameDropXPdで作成する場合にかなり近い手順となっています。
AVIUTLで編集するのは基本的に同じです。ただ、音声はWaveファイル出力して、午後のこ~だでVBRやABRで圧縮してサイズを節約し、正しく設定すれば可変ビットレート音声でも音がズレないAVIファイルを出力できる「AVI-Mux」で映像と音声を結合している部分がポイントといえます。
この手順ではキャプチャーカードが音声部を"MPEG-1 Audio Layer2"で記録しているか、AVIファイルで素材が用意されていることを前提にしています。それ以外の場合は、あらかじめDVD2AVIやVirtualDubModなどで音声部をWAVファイルに切り出しておきましょう(「XviDでビデオ保存」を参照)。
MPEG-2 VIDEO VFAPI Plug-Inを設定
まず最初にm2vconfを実行して初期設定を行ないます。この設定は1度だけ行なえばよいので次回からは省略可能。実際に使用している設定は速度優先で以下のようにしてあります。
- アスペクト比:無視
- フィールド順:ソースフレームを維持
- YUV→RGB変換:ITU-R BT.601から伸張
- 色空間行列:自動認識
- GOPリスト:GLファイルを保存しないのみにチェック
- 連番ファイル:結合して開く(ビデオカプセルが複数のファイルに分割されて保存されているVAIOは選択推奨)
- IDCT関数:整数(32bit AP-922)
- CPU拡張:環境による(付けられるだけチェック)
付属のドキュメントをよく読んで、AVIUTLと同じフォルダにm2v.auiというファイル名でコピーしたほうがおそらくよいでしょう。よくわからない人はauiは無視してください。
AVIUTLでの設定
MPEG-2 VIDEO VFAPI Plug-Inをインストールしておけば、AVIUTLで直接MPEG1/MPEG2ファイルを開けるようになります。音ズレの補正もしてくれるようなので非常に楽です(ごく稀にズレることもありました……が再現条件がわからないので今だ原因を究明中。もしかするともう直っているのかも?)。ズレた場合には、編集したいファイルをまるごとVirtualDubModで音声をWaveファイルに書き出して、AVIUTLでの編集時にその音声を使うようにすればほとんどの場合大丈夫です。
AVIUTLを起動して編集したいファイルを開いてください。ビデオカプセルが分割されている頃のVAIOの場合(Giga Pocket V5.x未満の場合。Giga Pocket V5.xは1番組を1個のMPEG2ファイルで保存するので扱いが楽になっています)は、書き出しでMPEG2ファイルを作成するか、D:\Giga Pocketの*.SSG(Sony Split MPEG)の先頭ファイルをAVIUTLにドラッグ&ドロップしましょう(2つ目以降から登録した場合は、再生が遅くなるなどの妙な現象がGiga Pocketのバージョンによっては発生することがあったかも)。
実写の場合
- インターレースの解除:自動,トップフィールド->ボトムフィールド
- ノイズ除去フィルタ:強さ64,範囲2,しきい値24(ノイズが激しい場合を除き基本的にノイズ除去は使わない)
- クリッピング&リサイズの設定:映像のない黒部分がなくなるように調整。4:3ならば640x480を指定。16:9放送は、キャプチャー時に上下に黒帯がつく地上波アナログ放送ならば640x360、縦長に720x480でキャプチャーされるデジタル放送では704x396を指定
- 音量の最大化:256
- フィルム映画は24fpsであることに注意してください。また、自分は気に入ったのは購入するから……と、録っていないライブや録ってもDVD-Video行きになるだろうというスポーツはソースが撮影環境によっては60fpsの可能性があります。その場合にはインターレースを解除せずに保持したままで保存するか、AVIUTLで元ファイルを開く場合に60fps読み込みにチェックを付けるかしておきましょう。インターレース保持での保存は、2004年の現状では再生処理にまだ少々問題があるようですので非推奨。現状ではHDDに余裕があればソースを残しておくのが正解かも。60fps圧縮の場合はPCのディスプレイが液晶だと不自然な再生となるかもしれません。
アニメの場合
- インターレースの解除:自動24fps〔しきい値80,範囲16,横縞部分を二重化〕,トップフィールド->ボトムフィールド
- フレームレートの変更:24fps<-30fps(4/5),24fps<30fpsの間引きには自動24fpsの処理を使う(24fpsの場合のみ)
- ノイズ除去フィルタ:《サイズ優先時》強さ256,範囲2,しきい値24、《通常》強さ160,範囲2,しきい値32、《デジタル放送》未使用
- ノイズ除去(時間軸)フィルタ:強さ128,範囲2,しきい値40(地上波なら画面が波打つような感じだったりノイズが多い時、デジタル放送ではソースが古くて劣悪な番組のみ使用)
- クリッピング&リサイズの設定:映像のない黒部分がなくなるように調整。4:3ならば640x480を指定。16:9放送は、キャプチャー時に上下に黒帯がつく地上波アナログ放送ならば640x360、縦長に720x480でキャプチャーされるデジタル放送では704x396を指定
- 音量の最大化:256
24fpsと30fpsが混在するような素材を編集するなどの場合は、AVIUTLでビデオ編集も読んでおいてください。
推奨設定
表示のオーディオ波形の表示と間引き予定フレームの表示、ソースファイルのキーフレーム表示にはチェックを付けておくべきです。ジャンプウィンドウを使う場合はジャンプウィンドウの表示もチェックしておきましょう。オーディオ波形は音ズレを圧縮前に知るために有効で、間引き予定フレームは24fps化の際の判定ミスを圧縮前に調べられるので有効。
キーフレームを表示するのは、CMカットをミスったりして再編集する際に、再圧縮なしにチェックを付けてAVIファイルを書き出す場合に知っておくと便利だからです。再圧縮が0で出力できるのは、カットした部分の直後がキーフレームの場合だけのため、再編集時にカット部分の直後がキーフレーム以外になるように編集を行なうと、カット部分の直後のフレームから次のキーフレームの部分までが再圧縮されてしまいます。これを防ぐために表示しておいたほうがよいのです。
MPEG4系のCODECは映像のサイズが16の倍数である必要があります。それ以外のサイズだと、映像が緑になってしまうなど正しく再生できないデータとなることがあるので注意しましょう。
AVIUTLで編集
圧縮の設定ができたら不要な部分を取り除きます。AVIUTLの右下にある4つのボタンは、左から1つ前のフレームへ移動、1つ右のフレームへ移動、範囲選択の先頭に指定、範囲選択の末尾を指定なので、不要な部分を範囲選択しましょう。カーソルキーやPageUp,PageDownキーも前後のフレームを参照できるので、それらを使って選択していきます。範囲選択した不要部分を除去するのは、編集から選択範囲のフレーム削除です。必要な部分だけになったら、音声と映像を出力します。
ファイルのWAV出力から、まずは音声を保存します。オーディオ圧縮は無圧縮の"PCM 48.000kHz, 16ビット, ステレオ"です。キャプチャーカードによっては44.1kHzというのもあるかもしれませんが、うちにあるのはすべて48kHzなので48kHzにしています。Rateを変更すると音ズレの原因になるのでご注意を。
続いて映像部を出力します。圧縮の設定は各自目的や好みがあるので一概にはこれといえません。CODECにXviD1.0.0以降を使う場合は「XviDの設定」を参照してください。CODECを選んで設定を決めたら、ファイルからAVI出力を実行します。その際に音声無しにチェックを付けておきましょう。
なお、圧縮中は長時間CPUを酷使するため、夏場は特にCPUの冷却に気を遣ってください。特に自作機の方。AVIUTLがエラーで落ちたりするのは、たいていの場合が熱暴走です。PCのケース内温度が45~50度を超えるとHDDも壊れやすくなりますので、暑い日には冷房を入れるなどしたほうがよいかもしれません。
午後のこ~だでMP3に圧縮
WAV出力で用意した音声ファイルは、午後のこ~だを起動してエンコードしましょう。午後のこ~だにファイルをドロップするかWAVE追加を選んで、エンコード開始ボタンを押すだけです。
設定は、MP3出力設定で出力するファイルの形式をMP3形式 (*.MP3) (標準)に、クオリティ設定はお好みでかまいません。2GHzオーバークラスのCPUならば高音質でもそれほど時間は掛からないでしょう。可変レート設定は、可変ビットレートエンコードを利用するにチェックを付け、好みの設定でどうぞ。ABRエンコードの96~128kbpsほどでよいかと思います。
AVIファイルの音声に可変ビットレートを用いるのは、かなりトリッキーな方法が使われるため、作成してしまうとあとで再編集をするのは非常に困難です。最終出力で「もういじらない」というデータであることを覚悟して作成してください。
AVI-Muxで映像と音声を結合
XviDなどで圧縮した映像ファイル(AVI)と午後のこ~だで圧縮した音声ファイル(MP3)は、AVI-Muxを利用して結合しましょう。AVI-MuxにAVIとMP3の2つのファイルをドロップして登録します。登録されたAVIファイルのほうをクリックし、generate data source from filesボタンを押し、startボタンを押すだけで目的のファイルができあがります。
AVIファイルにすでに音声も含まれていて、AVI-Muxを再生成に利用する場合はAVIファイルだけをドロップしてください。
最初の1回だけはsettingsボタンを押して設定をしておかなければなりません。AVI/MP3/M2F2ボタンを押し、force MP3 streams to VBRにチェックを付けてください。これを付けないと音がズレます。下のほうにあるMP3の設定はCBR(固定ビットレート)かどうかMP3ファイルを調べるかというものなので、午後のこ~だでVBRのMP3を作成している以上どれでも問題なし。CBRでMP3を用意することもある人は適切な設定が必要でしょう。
続いて、generalボタンを押して、standard output formatでAVIを選択。最後にAVI file structureボタンを押し、MP3 CBR frame modeにチェックを付けてOKボタンを押します。
なお、このAVI-Muxは海外ソフトのためダメ文字に注意してください。出力ファイル名にダメ文字を使った場合は、誤動作によって容量不足などの警告が表示されることがあります。そのまま出力しても問題は起こらないようですが、念のため出力時にダメ文字は使わないようにしたほうがよいでしょう。※最新版ではダメ文字の問題は解決しています。