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VAIO PCV-RZ72P

CPUが高速化したことで速度面には一般用途で不満を感じなくなり、システムリソースの問題はNT系OSである2000やXPになってからは解決。安定性重視ならばメーカー製のほうがハード的に安定するからと自作PCからメーカー製PCへと戻ってきた自分(98/Me時代のメーカー製PCは何でもかんでも入れていて、システムリソース不足で不安定になっていたから購入する気がなかった)。

特にプロテクトの掛かったゲームは自作機だとコピーと誤認されて起動できないことがあったりするが、メーカー製のPCにはそういうことはまず滅多にないというのも大きな理由。自作機だとソフトが自作機での動作を保証していない場合、プロテクトに引っかかって起動できなくても自作機のお約束・自己責任になってしまうんで……。

メーカー製PCに戻ってきた最初のがPCV-MX3GK(満足度:高)。静音PCの先駆け的存在で、(冷却ファンが電源のみで)衝撃的なほどに静かでショックを受けました。一番うるさいのはHDDアクセス音だったということでその静かさがわかるかと……。そしてその影響で後継機はPCV-RX73(満足度:普通、静音性は並=うるさい)と続けて購入してきたVAIO。2003年の夏モデルはNECの水冷式の静音PCに心奪われたものの、テレビ録画予約でiEPG未対応と標準のメモリがしょぼかったので、悩んだ末にVAIOを選択してRZ72Pを購入しました。

結論からいえばこれは大失敗で、NECの水冷PCにiEPG対応キャプチャーカードを付けるのが正解だったようですね。会社のNECのはすこぶる快調だし。それはともかく、とりあえずこの使えないVAIOくんの愛称は"_| ̄|○"となっています(笑)。MPEG4圧縮時などフルパワーで稼働している時の騒音は「すごくうるさい」というレベルです。

PCV-RX73と比べて……

それまで使っていた機種と比べると、いろいろと改善されている点があります。でも、はっきりいってIntelのCPUとChipset側の改善点であって、VAIOじゃなく競合他社製品でも同じものだったりする。VAIOである必然性は全然ありません。つーか、デメリットが大きすぎて本気でこのVAIOは可能ならば返品したいぐらい。これまで使ってきた歴代PCの中で不満度は最高です。

Hyper-Threading
CPUの分岐予測ミスなどで従来は遊休となっていた部分を再利用して擬似的に2つのCPUとして働いてくれる頑張り屋さんなPentium4になっています。処理速度が向上するわけではないですが、処理速度の低下を抑えてくれるところがポイント。非常に重い処理を実行していても、同時に別のアプリが普通に動いたりします。CPUパワーを100%持っていくようなゲームなどのアプリケーションを動かしていても、別のアプリが普通に使えるというのは嬉しい点。
USB2.0
しょぼーんな速度のUSB1.1より40倍も高速な480MbpsをサポートしたUSB2.0を8ポート装備。
GigaPocket V5
GigaPocketのV4までは、512MBごとに録画ファイルが分割されていて一般の動画編集ソフトで扱おうとすると不便を強いられていましたが、1つの録画番組が1つのMPEG2ファイルになって扱いやすくなっています。とはいえ、こんなのは他社じゃ常識。メリットとはいえません。

逆にデメリットはというと、何を考えているのかわからないタコなソフトウェアが入っていること。VAIOは付加価値があるからと高価格路線を宣言していることもあって高いけど、中身がこれではどうかと思います。まあ、HDDなんかは私の購入したのがたまたまハズレだったという可能性もあるんですが…。

数々のトラブルのほとんどは、その後の独自調査で出荷時からメモリが壊れていたために起こっていたことが判明。新しいメモリに買い換えたらいくつかの問題の解消を確認。詳しくは後述します。

録画失敗多発
購入後、わずか100日で録画失敗を11回体験しました。映像が真っ黒で音声だけだったり、映像が青で音もなかったり、映像は正しくても、音がデータCDをCDプレーヤーにかけたかのような音になっていたり。RX73では2年近く使って録画失敗は3~4回というのを考慮すると、あまりにも悲惨な発生率です。はっきりいってこのVAIOの録画はまったく信用できません。保険のためにHDDレコーダーや前のVAIO RX73などにも同時録画必須という感じで手間が掛かりすぎ。
録画に失敗するという現象は、再起動すると次から直るようですが、その時点で1つ録画失敗してしまっているわけで、すでに手遅れ。Webで調べてみるとRZ71Pでも同じような現象があるようですね。Giga Pocket V5.xのバグの予感…。ちなみに録画がこけた場合でもチューナーは正常に動作しており、録画時にGiga Pocketを起動している場合は、Giga Pocketの画面には普通に映像と音声が流れます。でも録画したデータは前述のようなゴミデータになるという具合。もしやハードウェアMPEG2エンコーダーの問題(不具合)か?
→メモリが壊れていたためでした。
また、録画予約もバグります。時間変更画面で……。これは以前の機種(Giga Pocket V4.x)から同様だったと思うんだけど、(放送される番組で1分前録画とかを毎週予約しているような場合に)その直前の時間帯にiEPGで予約を追加して時間が重なった場合とか、録画時間を変更したいことがあります。例えば画像は12日に翌日の番組を予約しようとしたところです。日時判定に致命的なバグがあるようで、1分前録画開始、1分前録画終了をしようとしても「過去の時刻を指定している」といわれて変更が出来ません。「予約は強行できるけどあとで修正してください」ならともかく、「予約をすると重なっている予約を解除させられる」ので、1分前録画などをするような人には正直いって使い勝手はあまりよろしくないですね。
ユーザーの意図せぬ動作

これまたRX73ではなかった現象ですが、時刻あわせや録画終了後に勝手に休止状態やスタンバイになるという妙な動作をしてくれます。RX73ではユーザーが起動して使っていた場合は、そのようなイベント後もそれ以前の状態のまま使えました。しかし、RZ72ではなぜかユーザーが電源を入れて使い始めていても、時報監視や録画終了で強制的に休止状態やスタンバイになってしまうことがあるという改悪が行なわれていました(予約マネージャをクリックしてキャンセルしたら大丈夫ですが……いちいち毎回キャンセルを押せということ?)。それと時報監視が高い確率で正常に動いていない予感……。というよりも、12時に電源が入っているときにしか調整されないようなんですけど?

正常なメモリでも勝手に休止やスタンバイになることがあるのを確認。この妙な仕様のおかげで「Adrasteia」が出来上がったという……。

ちなみに予約マネージャは通常、通知領域にアイコンがあるはずですが、いつの間にか通知領域に登録されなくなることがあります。その場合は再インストールしろとの公式回答。んなバカな……。Defrag実行後に発生しやすい気がする。Defragの結果、タスクバーが準備できる前にスタートアップが実行されるようになった場合にSONYのアプリが全部通知領域に登録されない感じだ。タスクバーの準備ができているかどうか、そして登録に成功したかをチェックしていない手抜きプログラムのようですね。
設計ミスでは?
何も増設も変更もせずに使って2カ月程度でHDDが故障。ケースを開けるとHDDは触れないほどの高温。リブートしてもHDDは状態を自己診断する「S.M.A.R.T」が「Fail」となって認識できず。扇風機でHDDを冷却すること数分。どうにかHDD認識に成功。データを外付けHDDに可能な限り退避。だが、退避中にHDD完全死亡してデータが大量消失。
なお、この件は後日SONYのサポートに連絡してHDDのみの修理(代品交換)は出来ないか問い合わせました。サポートのお姉さんは親切で、自分がHDDだけで修理依頼出来ないかと聞く前に、「HDDだけでの交換ができないか上司に聞いてみます」といってくれましたが、結局本体ごと以外の修理は不可との回答。製造したPCのHDDのシリアルはすべてあるはずなんだけど、調べる手間はかけたくないんでしょうね。でも、他社だって同じ対応をすると思うから、しょうがないかな。
仕事で使ってたりするとそんなまるごと送っての修理依頼なんてNGッス。泣き寝入りするしかない……。200GBのHDDがゴミですよ。泣けますねぇ。同じ筐体のVAIOを買った知人もHDDが壊れていました。この筐体は放熱に問題ありかもしれません。

(´・ω・`)しょぼーん

HDDの故障以前にあまりにも高い録画失敗率で呆然としていて、なんかもうこのクソVAIOはどうでもいいという感じなんですが……。真剣に秋モデルでNECの水冷PCに買い換えようかと悩みました。が、CPUコアが遠くないうちに変わるし、HDDなんかもシリアルATAになるから、それまでは不便を耐えて我慢(予算があればすぐにでも買い換えたいけど)。その間はストレスが日々増すだけに、SONY製品離れがだいぶ進みそうだ。たぶん次は水冷PC。NEC以外が出さなければ自動的にNECかな? ……と思って耐えていましたが、ついに録画コケが22回を迎え我慢の限界に……。歴代最短寿命の機種になりそうで。SONYは一部のサポートはいいのに(RX73時代にVAIOソフトのセキュリティーパッチやDVD-RドライブのファームウェアをCD-ROMで登録ユーザーに郵送してくれてたんですよね。だから悩んだ……というかNECの水冷PCを発売日にネットで予約しようとしたらサーバーエラー5連発で諦めたんでVAIOにしておこうかなぁだったりした……んだけど)、ユーザー側から問い合わせるサポートに関しては最低という感じでした。

でもNECも好きじゃないんですよね。アップデートのファイルがあるアドレスをブラウザのお気に入りに登録しておいても、トップページから辿らないとそのページを見せませんというサイト設計。不便を強いるのっていかがなものかと……。購入意欲なんかよほどのことがない限り(例えば2003年時点では他社が出していない水冷PCの存在とかね)、減退する逆効果があるんだけど。ほかの会社の水冷PCは……出ないんでしょうかね? サポートから修理依頼まですべて(?)をメール受付してくれる富士通がサポートよさそうな感じはするけど、デザインが気に入らないのと、過去のTOWNSでトラウマができていて選べず。電話は24時間じゃないと都合によっては掛けられないが、メールなら時間関係ないから便利なんですよね。サポート面ではメールでOKの富士通が非常に魅力的に見える……。

大どんでん返し?

……もしかして……出荷前に検品していないのかな? VAIOを自作機と見なして最初からすべてを疑ってテストを行なった。その結果が「悪夢再び?」だ。なんと出荷時からの不調の原因は、メモリの876MB付近と892MB付近が壊れていたからでした。SONYは出荷前に検品していないんでしょうか? 数々の不審な動作や、MPEG4圧縮中の他アプリのエラー多発や録画失敗なんかは、壊れているメモリの部分にプログラムやデータがロードされたからではないかと予想。

ユーザーサポートは誰のために?

とはいえ、Memtest86の結果画面を付けての問い合わせには、「メモリが壊れているかはわからない」「GigaPocketをインストールし直せ」「リカバリしろ」だの的外れなものばかり。まずあり得ないと思うけど、メモリの該当部がシステム予約で使われている部分なのかもしれないから問い合わせたのに、ほかのRZ72Pでエラーが出るか出ないか教えてもらえない上にその回答というのはひどいよね。メモリが壊れているというのを確信してからメモリを買いに行きたかったのに。「メモリじゃないかもしれない……」という状態で買うのは不安。「なんだ、メモリが壊れていたのかよ~」と買いに行くほうが気が楽なんですが。原因が特定できているぶん。

それなのに原因とかを絞り込んで確認の問い合わせてこの回答は……。「キーボードが壊れているから」とノートPCを持ち込み修理をしたのに、キーボードの交換よりも手間なマザーボード交換で2回も返してきたお寒いSHARPのトンチンカンな修理窓口を思い出す(笑)。さすがに2回目に返してきた時は、さすがに疑ってその場でテストさせてもらい、直ってないから「キーボードをなんで直さないのさ?」と問いつめたという思い出がある……。キーボードのみの交換は取り寄せに必要な1日で済み、2回合計で5週間ぐらい時間を無駄にさせられていたというトラウマになる出来事があったりする。携帯電話でSH避けているのはその後遺症もあるかな。

さらなる回答では、「Memtest86の信頼性や動作の情報がないからメモリのトラブルとは断定できない」「出荷時からHDDとビデオカードが変わっているからでは?」などと来ました。断定できないって……、原因を突き詰めて状況を改善するためにサポートがあるんじゃないのかねぇ。条件を絞り込んで原因を特定したいから問い合わせているのに非協力的。全然役立たずでした。また、ハードを変更していない発売日からトラブルが発生しているというのに、こういう回答で逃げに来たかとあきれるばかり。ハードディスクは、そもそもあっさり壊れたから買ったんじゃないか……。SONYもダメだったのね。

サポートは本来困っているユーザーを助けるためのものなのに。「リカバリしろ」というお約束のテンプレート回答や、データベースを検索して該当がなければ面倒だから全部修理させようなど。あれこれとユーザーに手間なことをやらせようとするのに、ユーザー側からの情報提供や調査依頼は無視同然。そんなサポートはサポートなしと同じ。もう後継機選択にはVAIOは入りませんよ。自作機を作ったほうがいいですもん。

夏モデルでVAIOを選んだことによる被害額は、同等品への買い換え(200GBのHDDとDDR400の512MBメモリ×2)で約5.5万円なり。安いPCが1台買えるんですけど……。故障部分を特定して問い合わせても修理は本体まるごとじゃないとダメというんでは意味なし。修理に出すと仕事にならないんでサポートなしと同じだもん。VAIOは高いくせに自作機と同レベルのリスク負うことになるというのを高額な勉強料を払って知りました……というオチ。もしかすると、ディスプレイが壊れたのも、メモリの破損部分にディスプレイまわりのプログラムがロードされてとんでもないリフレッシュレートを送った可能性も0ではないかもと思ったりしてしまう。その場合の被害額は+6.8万円なり……。

メモリを買い換えたのでしばらくは再検証が必要。また1カ月以上電源を付けっぱなしで使ってみるストレステストからやり直しかな。でも、その前にリカバリが必要だ。HDD故障時に壊れたメモリでリカバリしているから、一見正常に動いているOS本体やアプリケーションも不安だしね。

これ以上問題が発生するのはまじで勘弁してほしいよ。購入後、まともに使えるようになる前に後継機が出ているというのも腹立たしい……。

…………(絶句)

正常なメモリにしてからも時報監視がうまくいかないから問い合わせていたのだが、「ハードを変更してるから」「GigaPocketのデータベース再構築をしてくれ」という回答で逃げられていた……。2003年12月10日、絶句するものが登場。GigaPocketのアップデートで修正内容に唖然。

  • 「番組延長」対応番組を含む複数の番組を「まとめて予約」すると「番組延長」対応番組の録画終了時刻が正しく設定されない。
  • すでに「番組延長」対応番組が予約されていると、新たな予約との重複チェックにおいて予約の選択ダイアログが表示されず、予約が重複しているというエラーが表示されてしまう。
  • ビデオカプセルの移動をキャンセルすると、ビデオカプセルが壊れることがある。
  • CV モード変換でビデオカプセルを変換すると、強制終了することがある。
  • 時計修正が行われないことがある。
  • Giga Pocket サーバー動作中にスタンバイすると、スタンバイから復帰したときに Giga Pocket サーバーを使用できないことがある。
  • チャンネル名を変更すると、iEPG による録画予約ができなくなる。
  • Giga Pocket の全画面表示中、フィルムロールエリアが表示されている間、リモコンで Giga Pocket を終了する操作をすると、コンピュータがハングアップして操作できなくなる。
  • 実際のビデオカプセルの数は少ないにも関わらず、ビデオカプセル数が上限に達したという内容のエラーが表示され、予約や録画ができないことがある。
  • Windows をスタンバイから復帰させたときに Giga Pocket が実行中だった場合、エラーが表示されることがある。
  • Giga Pocket でステレオ放送を視聴しているときや、ステレオのビデオカプセルを再生しているときに、二か国語放送の主音声/副音声の切り替えが効いてしまう。
  • Giga Pocket を起動すると、エラーが表示されて強制終了することがある。
  • Giga Pocket の実行中に Giga Pocket エクスプローラでビデオカプセルをダブルクリックしても再生が開始されないことがある。
  • 機能拡張ソフトウェアの MPEG1 変換や CV モード変換で録画と同時に変換する設定をしても、変換が行われないことがある。

なんだよ、バグじゃん。やっぱりSONYのせいだったんじゃないか。よくもまあこんなにバグが多いのにいろいろいってくれたもんです。発売から半年が経過してのバグ修正で普通に動くようになりました。他社の2倍ぐらいの価格で完成は発売から半年先でした? えらく高い買い物ですよね(苦笑)。面倒だからとりあえず再インストールさせておけという姿勢はかなりいかがなものかと。

VAIO Updateもバグ

VAIO内蔵ソフトのアップデートを管理するWindows Update的なソフトがあるわけですが、これもバグがいっぱい。重要なお知らせの通知が表示されてクリックしてみると更新なしということが両手で数えられないほどありました。信用できないわけで、そんな中、2004年8月24日に表示されたのが該当機種外の更新情報。RZ72Pにインストールしていいの? 大丈夫なんだろうね? 自分はインストールしないけど。

さらにVAIO Updateの誤報は続きました。2004年10月2日の午前2時頃に見た情報では、Modem Driverのアップデートがあることになっており、情報告知ページはNot Foundという不手際。これも誤報だったのか翌日に情報自体が削除されていました。おそらくこれらはサーバー側の情報登録ミスだと思うんだけど、ずさんなアップデート情報を信じてアップデートするユーザーがいたらどうするつもりなんでしょう? 下手するとリカバリによる復旧をユーザーに強いることになると思うんですが。アップデート情報の公開前にチェックしてない(あるいはチェック体制が機能していない)のはいかがなものかと……。VAIO Updateは役立たず!?