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MultiSync LCD2490WUXi

かなり目が疲れて、これ以上使ったら視力が大きく低下するという危機感から、24インチのディスプレイをわずか1カ月で買い換えとなって、比較的評判のよい本製品へ逃げてきました。この製品は当初の候補に入っていたものの、プロユースだから高くて躊躇っていたんだけど、視力が失われるという被害の前には、そんなことを言っていられるわけもなく……。24インチの1920x1200にこだわらずに、22インチの1920x1080でSHARPのAQUOS PシリーズのLC-22P1-Wを購入しようかと迷ったけど、DTP用途も考えると24インチで縦1200にするべきかなと、葛藤の末に高い本製品に突き進んでしまいました。在庫ありのところでポイント込みで安いところを探したら、手持ちのポイントの関係でビックカメラだった。購入した(ポチッた)翌日午前中に到着という奇跡的な速度で到着となって驚きましたよ(笑)。

箱は衝撃的なサイズ。同じ24インチのFlexScan S2402Wと比べて厚みが2倍で厳重梱包されていました。NECがプロユースとして販売している製品だから、個人向けの製品と比較してはいけないのかもしれませんけどね。スタンドの奥行きは1.5倍ぐらいある感じで驚かされました。

気をつけないといけないのが、ディスプレイにはスピーカーが付属していないということ。本体価格がプロユースだから高いというのにスピーカーがオプションで別売。通販だと送料込みで1万円近くかかってしまいます。これは正直なところ厳しいと思う人がいそう。別途スピーカーを用意していれば大丈夫ですが、スピーカーを用意しているかいないかで印象が変りそうな部分ですね。自分はスピーカーを用意して使っています。ディスプレイ側を2~3カ月使ってみて、常用するのに問題がなかったらオプションスピーカーを買おうかなという感じの様子見モード。ディスプレイの品質判断は短期間で決めるわけにはいきませんからね。PCまわりを省スペースにしたいとは思うものの、すぐに買うのはためらいを感じる。

初期設定はダメかも!?

ディスプレイ設定は標準メニューから変更可能なものだけではなく、ディスプレイの電源投入時にINPUTボタンを押しながら電源ボタンを押し、電源投入後INPUTボタンが1秒以上押されていた場合に選べるようになるアドバンストメニューがある。こちらは標準メニューの項目だけでなく、もっと細かい設定を行なうことができるモードとなっている。

設定できる項目が多いのはいいのだが、出荷時の設定が何を狙っているのかよくわからない。プロユースの製品だから各自設定してくれということなのかもしれないけれど、カタログスペック上限の「目をつぶすためとしか思えない明るさ」を出すために節電モードはオフだったし、オートブライトネスもオフ。本製品の売りの部分じゃないかと思う色ムラ補正もオフになっていた。ユーザーがしっかりカスタマイズをしないと実用的な設定にはもっていけないんじゃないだろうか。その設定自体も、入力3系統別個に設定を行なうようだ。これは環境によってはかなり手間がかかりそうかな。まあ、デジタル入力とアナログ入力では同一設定にすることはできないという技術面での制約はあるんだろうけど。その入力はDVI-D/DVI-I/D-Subの3系統。入力の切り替えボタンを押すと、信号のない入力にも切り替わるので、2つしか接続していない場合はボタンを2回押さないと信号のあるところへ切り替わらないのは不便だ。

アドバンストメニューも使えば設定項目はかなり多いため、ユーザーの好みにかなり近いチューニングができそうだ。使っていて不満を感じたのは、オートブライトネス機能かなぁ。このモードが、調整なしか、設置場所の明るさの変化に合わせて自動調整するか、画面に白い(明るい)部分が増えたら明るさを抑えるかの3択。室内の明るさに合わせて調整した上で、画面に明るい部分が増えたらブライトネスを抑えてくれるモードがほしいと思うのは自分だけじゃないと思うんだけどなぁ~。詰めが甘いという気がしてしまう。現状では、ブラウザなどで白の多くなりそうな用途の場合と、それ以外で設定をいちいち切り換えないといけないような感じだね。

ほかには、個人的にアドバンストメニューで設定しておくべきだと思うのは、Tag7にある「RESPONSE IMPROVE」だ。出荷時はオフになっているが、これをオンにすると動画再生時の残像感が軽減される。なぜ有効になっていないのか不思議な項目といえるだろう。まあ、24fpsのアニメならばオフでも気にならない人は多そうだけどね。スポーツ番組になるとさすがにオフでは残像が目につくだろうという感じだ。同じくTag7には電源ランプの明るさを調整する部分もある。初期状態では明るすぎて電源ランプに注意がいってしまったので、作業効率が落ちたり目が疲れたりしたが、「LED BRIGHTNESS」を初期値の100%から10%あたりまで落としたら気にならなくなったことを参考のために記しておきたい。Tag7には「SHARPNESS」の項目があり(通常メニューにもあったかも)、画面に表示される文字や画像のシャープさを調整できる。数値を減らすと輪郭がにじむ方向に進む。うまく調整すれば、ギラツキする感じを抑えられることもあるといったところだろうか。DVI-DとD-Subでは全然違う値が目にやさしくなる感じなので調整が大変かもしれません。

また、明るさを抑えたい人は「LOW BRIGHT MODE」をON(50%)かADVANCED(25%)にして明るすぎる画面を大幅に抑えることができるのはかなりのメリットかと思う。これを利用すると他社製品よりも大幅にブライトネスを落とすことができるので、画面が明るすぎて目が疲れるという液晶ディスプレイ特有の現象を大幅に軽減できるはずです。

OSDは意外と使いやすい

出荷時の初期設定をいろいろ変更するのは大変そうに思われるかもしれないが、画面右下に左右選択キーと上下選択キーがあるので、上下左右のキーが一列に並んでいるという製品と比べてかなり使いやすい。選んだ項目を初期値へ戻すボタンもあるし、すぐ戻せるのだからちょっと試してみようというお試しも簡単だ。

ちゃんと、キーのすぐ隣りにキーの効果を画面上に表示しているのが親切かな。これならば間違いようがないだろう。しかし、OSDの部分は設定したブライトネス設定などが使われずに常に高輝度表示となっていてまぶしい。そこで目が疲れる人もいると思う。

気になるパネルはどうなのか?

残念ながらこの製品はH-IPSパネルであり、NEC製のSA-SFTパネルではない。パネルの特徴としては、視野角は広く色の再現性も高いほうなのだが、ちゃんとディスプレイの角度を調整しないと目が疲れてしまうというのがあると思う。というのも、パネルの特性なのか、角度によっては目の焦点が合いにくいんだよね。自分はやや乱視気味だからなのかもしれないけど、これは慣れればなんとかなるのかなぁ?

とりあえず、前のディスプレイが酷すぎたとはいえ、目はだいぶ疲れにくくなったのだけは確かかな。まだ執筆時点で使用し始めてから5日しか経過していないので、パネルの印象はまだ判断が微妙だけどね。FlexScan S2402Wの次に何を買ったのかもレポート希望というメッセージが来ていたので、とりあえずの印象を掲載してみたといったところです。後日、1~3カ月ぐらい使っての感触を追加するかも。

オプションの遮光フードが気になるもののお値段が高いので……。そのうち、段ボールあたりで代用品を作って試してみようかな(苦笑)。

そこそこいい感じ?

使用し始めてから2カ月が経過したので追記です。眼の疲れは大幅に軽減された状態が継続しているので安心した。目薬を使う頻度が1/3以下に減ったのは嬉しい感じがします。SA-SFTパネルよりは目が疲れる感じだけどね。直近の2週間ほどは、検証を兼ねてFlexScan S2402W(現在は株価表示専用)とデュアルディスプレイで使ってみたけど、明らかに眼の疲れが違う。24インチクラスにはあまりいい液晶パネルがないようだが、本製品は自信を持ってよいとはいえないものの、そこそこいい感じかなという印象だ。まあ、設定を細かくいじって好みに合わせることができればなんだろうけどね。