VALUESTAR G typeS SD-Videoの作成
SmartVisionで録画した番組、あるいはSmartVisionにインポートして取り込んだMPEG-1/2ファイルは、エクスポートからSD-Videoとして書き出すことができます。このSD-VideoはASF形式のファイルであり、映像部にISO MPEG-4、音声部にG.726を採用した動画ファイルです。NTT DoCoMoのFOMA 900iシリーズや家電のDIGAなどで再生可能。出力先を(mini)SDカードにすると自動的にFOMA 900iシリーズで再生可能なフォルダへ書き出してくれるので便利ですね。
しかし、そうはいっても3GPファイルで書き出せればもっと対応機種が広がると思うんですが……。
SmartVisionからの書き出し
残念ながら標準ソフトではSD-Video書き出し時にCMカットなどの編集作業を行なうことができません。SmartVisionには簡易編集モードがありますが、それではうまく必要部分の先頭部分と最終部分を指定するのは困難なため、事実上CM込みでまるごと放送状態のままデータをSD-Videoに書き出すことになります。書き出しの手順は非常に簡単です。
- SDカードを本体スロットへ挿入
- SmartVisionを起動する
- 変換したい録画番組を選択
- エクスポートを実行
- MPEGファイルの分割/変換を実行
- 出力先がSDカードになっているのを確認
- 出力モードがSD-Videoであるのを確認
- 実行ボタンを押す
初回起動時には、再生側の機器の選択を要求されます。ここで指定した機器用のデータが出力設定の初期値となります。対応している携帯電話であれば、誰でもすぐに再生可能なデータを作成することができます。PC上での再生だけでなく携帯用のプレーヤーまでもサポートというのはよいことですね。大容量のminiSDカードが欲しくなるかもしれません。
SmartVisionを使わずにSD-Videoを作成
SD-Videoの作成を注意深くよく見ていると、SmartVisionから呼び出されるPanasonic製の「SD-VideoWriter」が利用されていることがわかります。スタートメニューにはありませんが、C:¥Program Files¥Panasonic¥SD-VideoWriter¥SDVWriter.exeを実行すれば直接呼び出すことが可能です。スタート→ファイル名を指定して実行で呼び出せます。
「SD-VideoWriter」を直接呼び出すメリットは、SmartVisionへMPEG-1/2ファイルをインポートしなくてもよいことです。それと、SDカードでなくハードディスクへ書き出すことが可能なのもメリット。また、SmartVisionのインポートには制限があり、CMカットをしたりしたファイルはインポートできないことがあります。すなわち、直接使うと書き出せるファイルが多くなるわけですね。CMカット編集をしてSD-Videoを書き出すための方法もしっかりと確認しました。
用意するもの
- MPEG-2 VIDEO VFAPI Plug-In (付属ツールMMEを使用)
- VOBMerge (Utilities→VOBMergeを選択してダウンロード)
簡易編集で必要な部分を切り出して変換
©双葉ひな・ささきむつみ・メディアワークス/双恋製作委員会
IN点に指定できるのはIピクチャかcloseなBピクチャのみです。画面下部のスライダでシーンを目的のシーン付近まで大まかに移動させ、NキーとPキーで該当部分を探します。カーソルキーの←→でMMEのタイトルバーに表示されているピクチャ記号がIかBcである部分を探して指定しましょう。OUT点に指定できるのはIピクチャかPピクチャです。IN点同様タイトルバーの表示を確認しながら記号がIかPである部分を指定します。いずれも、画面上部のメニューにある編集のIN 点の設定とOUT 点の設定からの指定です。
IN点とOUT点が指定できたらファイルから出力を選びましょう。必要なシーンを全て出力したら変換です。でも、変換前にファイルを1つに結合しておくと変換後の動画ファイルも1つになります。1つの番組を複数のファイルにして保存するのも困りものです。そこでVOBMergeを使ってMMEで出力したMPEGファイルを1つに結合しましょう。
VOBMergeを起動したら、Add File...ボタンを押します。ファイルのオープンダイアログが開くので、まずファイルの種類をAll files (*.*)に変更してください。変更するとMMEで書き出したMPEGファイルが見えるようになります。Ctrlキーを押しながら、結合したいファイルをすべて選択していきましょう。それが済んだら開くボタンを押します。
結合する順番になるように選択して開くのが効率的ですが、VOBMergeの▲▼ボタンを使えば結合順をあとで変更できるので順番でなくてもかまいません。
結合したい順番に上から並んでいることを確認したら、Mergeボタンを押してファイルを保存します。
スタート→ファイル名を指定して実行でC:¥Program Files¥Panasonic¥SD-VideoWriter¥SDVWriter.exeを選んで実行してください。起動した「SD-VideoWriter」の左上の部分に、MPEGファイルあるいはVOBMergeでMPEGファイルを結合したVOBファイルをドロップしましょう。あとは変換したいデータの設定を行ない、書き込みボタンを押すだけです。
変換リストに登録されたデータの再生時間は正しくない時間が表示されることがありますが、変換には問題がありません。変換後のデータは正しい時間でできあがります。
SD-Videoの代わりに3GPファイルを作成する
携帯用の動画ファイルならばSD-Videoよりも3GPファイルで作成したほうがおそらく再生互換性が高くなるでしょう。少なくとも対応機種は増えます。3GPファイルでの作成は手順がほぼ同じです。SD-VideoWriterにドロップする代わりに携帯動画変換君にドロップします。詳しくはその説明ページをどうぞ。
[補足]SD-VideoWriter
どのような機器にどんな設定で書き出すことができるのかの一覧をここに掲載しておきます。これらの設定は、レジストリに情報があるのでレジストリを変更すれば対応機器を増やすことが可能かも?
HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Panasonic¥SD-VideoWriter¥Encod\Mp4SdCnv
「SD-VideoWriter」のアップデートファイルが公開されています。アップデートを行なうことで出力先に選べる対応機器が増えるので、アップデートを行なっておいたほうがよいでしょう。
対象機器 | 高画質 | 標準 | 高圧縮 |
---|---|---|---|
N900i/N900iS | 176x144/15fps/384Kbps | 176x144/10fps/128Kbps | 176x144/6fps/64Kbps |
N901iC/N700i | 176x144/15fps/384Kbps | 176x144/10fps/128Kbps | 176x144/6fps/64Kbps |
P900i | 176x144/15fps/384Kbps | 176x144/15fps/128Kbps | 176x144/6fps/64Kbps |
P900iV | 320x240/15fps/768Kbps | 320x240/15fps/384Kbps | 176x144/15fps/128Kbps |
P901i | 320x240/15fps/768Kbps | 320x240/15fps/384Kbps | 176x144/15fps/128Kbps |
P505iS/P506iC | 176x144/6fps/140Kbps | 176x144/6fps/100Kbps | 176x144/6fps/64Kbps |
F900i | 176x144/10fps/128Kbps | 176x144/6fps/64Kbps | |
F900iT/F900iC | 320x240/10fps/192Kbps | 176x144/10fps/128Kbps | 176x144/6fps/64Kbps |
F901iC/F700i | 320x240/12fps/192Kbps | 176x144/10fps/128Kbps | 176x144/6fps/64Kbps |
SH900i/SH901iC | 320x240/15fps/500Kbps | 320x240/10fps/300Kbps | 176x144/6fps/64Kbps |
D901i | 320x240/12fps/320Kbps | 176x144/10fps/128Kbps | 176x144/6fps/64Kbps |
W21CA | 320x240/15fps/384Kbps | 320x240/10fps/230Kbps | 176x144/6fps/64Kbps |
W22H | 320x240/15fps/384Kbps | 320x240/10fps/230Kbps | 176x144/6fps/64Kbps |
PENCK | 320x240/15fps/384Kbps | 320x240/10fps/230Kbps | 176x144/6fps/64Kbps |
V601SH/V602SH | 320x240/15fps/384Kbps | ||
V802SH/V902SH | 320x240/15fps/384Kbps | ||
D-snap (SV-AV35/AV50) | 320x240/30fps/1000Kbps | 320x240/15fps/500Kbps | 176x144/6fps/64Kbps |
D-snap (SV-AV100 MPEG4) | 320x240/15fps/750Kbps | 320x240/12fps/300Kbps | 176x144/6fps/64Kbps |
D-snap (SV-AV30) | 320x240/15fps/750Kbps | 320x240/12fps/300Kbps | 176x144/6fps/64Kbps |
D-snap (SV-AS3/AS30) | 320x240/30fps/1000Kbps | 320x240/15fps/500Kbps | 176x144/6fps/64Kbps |
DIGA (DMR-E100/200 MPEG4) | 320x240/15fps/750Kbps | 320x240/12fps/300Kbps | 176x144/6fps/64Kbps |
DIGA (DMR-E500 MPEG4) | 320x240/30fps/1000Kbps | 320x240/15fps/500Kbps | 176x144/6fps/64Kbps |
カーナビ (HS400D) | 320x240/15fps/750Kbps | 320x240/12fps/300Kbps | 176x144/6fps/64Kbps |
カーナビ (HDS900/950) | 320x240/15fps/750Kbps | 320x240/12fps/300Kbps | 176x144/6fps/64Kbps |
カーナビ (HDS930) | 320x240/15fps/750Kbps | 320x240/12fps/300Kbps | 176x144/6fps/64Kbps |
VIERA (TH-37/42/50PX300) | 320x240/30fps/1000Kbps | 320x240/15fps/500Kbps | 176x144/6fps/64Kbps |
VIERA (TH-26/32LX300) | 320x240/30fps/1000Kbps | 320x240/15fps/500Kbps | 176x144/6fps/64Kbps |
VIERA (TH-20LB30) | 320x240/30fps/1000Kbps | 320x240/15fps/500Kbps | 176x144/6fps/64Kbps |
PDA (PocketPC) | 176x144/10fps/128Kbps | 176x144/10fps/96Kbps | 176x144/10fps/64Kbps |
プレイやん(AGS-006) | 240x176/30fps/480Kbps | 240x176/30fps/352Kbps | 240x176/15fps/224Kbps |