DTP
仕事でDTPしている感じですが、気付いたことをちょこちょことメモ取りしておくページ。暇があったらそのうちまとめるかも。主に『InDesignCS』のWindows版のこととなります。WindowsXP上での使用です。ちなみに自分は編集者なのでどこか間違っていたらごめんね。
自分で作成した最終出力データは、InDesign 2.0.2の頃に160ページのものをPDF経由で6冊、InDesign CSでは同ページをPSファイル入稿で隔月で特に問題なく出せています。
※2005年9月で退職したため、今後更新はしないと思います。もうたぶん出版関係には関わらないと思うので……。
InDesignCSを使っている環境
- ドライブ構成
- Windowsのシステムのドライブとは物理的に別のハードディスクへ文書は保存することが望ましいです。ブック機能の「ページ再割り当て」やPDF書き出しを行なう場合、Windowsのシステムのドライブと同じディスクへ保存している場合と比較して、処理時間がかなり短縮可能です。160Pとかになるとかなり差を体感できます。
- フォントの場所
- 『InDesign』でフォントを使用可能とするには、以下の3カ所のいずれかにフォントを置いておきます。
- C:¥WINDOWS¥Fonts
- C:¥Program Files¥Common Files¥Adobe¥Fonts
- C:¥Program Files¥Adobe¥InDesign CS_J¥Fonts
- DTPでしか使わないフォントは下2つのどちらかに入れておけばよいでしょう。Adobe製品共通で参照される"Common Files"がお薦めです。また、下2つの場合はフォントそのものをフォルダ内に置かずとも、フォントのあるフォルダへのショートカットでもOK。例えば"E:¥MyData¥Fonts¥OpenTypeへのショートカット"なんかでも使えます。
- 自分の環境は、Cにはレジストリなどに影響してOSの再インストール時にインストーラーが必要なプログラム類、Dにはインストーラー不要でそのまま使えるプログラムと書き換え頻度の高いデータ類、Eには書き換えの発生しないデータ類を入れるようにしています。文書ファイルなどのデータは携帯するのでUSB-HDDへ保存。
知っておきたいもの
- パステキストで見出しを作るという選択肢
- グラフィックス化(InDesign2.0.xまでのアウトライン化)を行なう見出し文字などは、パステキストで作っておくと便利。フチ文字にしている場合、通常はアウトライン化の処理前と処理後で全然見た目が変わってしまいます。これをアウトライン化後も処理前と同じような見た目になるようにするのはスクリプトがほしいぐらいのちょっとした手間。しかし、パステキストで作ってあると処理前と処理後の表示が同一で変化はなく、手間をかけずに処理ができるようです。
- 作業ファイルや設定ファイルの場所
- トラブルが起こったりした場合に削除する必要があるかもしれない作業ファイルや設定ファイルは、"C:¥Documents and Settings¥UserName¥Application Data¥Adobe¥InDesign¥Version 3.0J"にあります。
- Explorerのアドレス欄かファイル名を指定して実行で%userprofile%¥Application Data¥Adobe¥InDesignと入力すると素早く開けます。
InDesign CSのバグらしきもの
- ぶら下がり処理のミス
- 表機能で表内の段落にぶら下がりを指定しておくと、何を血迷ったか表組の罫線の上に平然と句読点を置いてくれます。ドキュメントのデフォルトを「ぶら下がり処理:標準」にしていたら、表組みも自動的に同じ設定になるわけですが、通常は罫線の上に文字を置くわけがないので表の中ではぶら下がりはなしになるのが期待される動作なわけで……。手作業で解除かスクリプトで解除しないといけません。
- ドラッグ&ドロップでエラー
- フォルダ名かファイル名によってはドラッグ&ドロップで画像などをInDesignに貼り付けることができません。ダメ文字とも違うようだし、なにがいけないのやら? Ctrl+Dで配置するしかないみたい。
- スポイトツール
- InDesign 2.0.2から変換したファイルでたまに発生するのですが、スポイトツールで文字属性(色やフォント情報)をコピーしようとしたら、文字位置がずれたり大きさが目茶苦茶になることがあります。回避方法不明。
- クリッピングパス
- PSD形式などにあるクリッピングパス付きの画像を配置し、クリッピングパスのタイプをPhotoshopパスにしてマージンを0以外にするとパスの内側のクリッピングが無効になることがあります。困る……。回避方法不明。
- マウスのホイールボタン
- 各パレットをクリックして作業をすると、ホイールボタンでのスクロールが効かなくなります。再びスクロール可能にするには一度ツールパレットをクリックするかシステムメニューの何らかの機能を実行しなければなりません。もっとも、それでも直らないことがありますが……。そのような場合には一度『InDesign』を終了したほうが早いようです。
- フレーム(見出し用)・表の崩れ
- 本文やキャプションなどはグリッドフレーム、見出しはテキストフレームで作成というのが効率的な感じですが、テキストフレームのグリッド揃えがやっかい。見出し用のテキストフレームを動かしたら文字が消えた、あるいは表のフォントを変更したら表が崩れた、といった現象が発生することがありますが、これはグリッド揃えが適用されているためです。段落パレットからパレットメニューで"グリッド揃えをなし"にすると直ります。これは仕様だろうけど、フレームは1行ならグリッド揃えを適用してほしくないなぁ。表に関しては明らかに困ります。
- グリッドフレームのバグ
- 1行のグリッドフレームを作れません。2行以上で作成してから1行に変更するなどで回避。
- スケールまわり
- サイズ変更ついでに左右反転や上下反転をしようとスケールで-75%などとすると、左右あるいは上下の反転ではなく、180度回転となってしまいます。InDesign2.0.xでは大丈夫だったのですが。InDesignCSだと、反転は必ず変形パレットの横反転、縦反転を使わなければならないようで……。
- グラデーションツール
- 表機能で作成した表組み内の文字にグラデーションツールを使うと、グラデーションが無効になることが……。回避方法不明。
- グラデーションの方向変化
- 文字色をツールパレットのグラデーションを使ってグラデーションの方向の調整を掛けたものをアウトライン作成すると、グラデーションの方向が初期状態に戻ってしまう。アウトライン化後に再度調整が必要。
用意しておくと便利なもの
WindowsでDTPをする際に用意しておくと便利かもしれないツールなどをいくつか紹介しておきます。
- Xentient Thumbnails (Freeware)
- 画像ファイルのアイコンを、その画像のサムネイルにしてくれるソフトウェア。Explorerの縮小版表示で使うのもよいですが、こういうツールでアイコン自体でどの画像なのかわかるようにしておくと作業効率も高くなるかもしれません。JPG, JPE, JPEG, JP2, J2K, GIF, PNG, BMP, WBMP, EMF, WMF, PCX, PBM, PGM, PNM, PPM, RAS, TIF, TIFF, TGAに対応しています。Windows Vista/7ではOSが標準の機能があるのでインストール不要です。
- LuckyStar
- テキストファイルからInDesignなどへコピペする際に文字にフィルタを掛けるためのツールです。クリップボードへ入った文字を自動的に指定した種別へ変更して楽をしようと作ってみました。
その他
以下はDTPの参考資料とはちょっと違うものがほとんどです。最近の雑誌などがどのようにして作られているのかというのを知りたい一般の人向けのものであり、DTP関連の仕事に関わっている人にはさほど役立つものはないでしょう。読むのが大変な数百ページある説明書をいきなり見ていくより、作業工程のベースとなる部分を示して、徐々に関連部分の細かいところを説明書を読んで覚えてもらうということでライター向けの資料を作成したのでした。ライターの段階からInDesignで行こうと試みたものの、本誌に関しては自分が辞めるときまで印刷現場がInDesignに対応してくれなくて無駄になったというオチも。増刊は自分がPSファイル入稿でやっていたから増刊では問題なかったんですけどね。
- eBook用フォント
- InDesign 2.0の頃の増刊の記事作成手順説明(2002年9月頃に作成したライター向け資料)
- InDesign 1.0の頃の増刊の記事作成手順説明(2001年5月頃に作成したライター向け資料)