N2002
人柱で契約
NTT DoCoMoのFOMAの正式サービスが始まって3カ月経過した頃、そろそろ試してみるかと思い契約。しかし、始まったばかりのFOMAに機種変更なんて恐ろしいことはできません。新規契約でN2002を選択しました。
- サイズ(高×幅×厚)
- 103×52×22mm
- 重さ
- 107g
- 連続通話時間
- 90分
- 連続待受時間
- 55時間
- 画面
- 120×130(65535色TFD液晶)
メリット
- 1パケット0.2円(パケット割引利用で0.1~0.02円)
- 最大384kbpsの高速通信
- 音声通話とパケット通信が同時使用可能
- クリアな音声通話
- 30秒単位課金なので通話料を計算しやすい
- 圏外や受信失敗時のメール自動再送信
- メールの同報送信は約1通分のコストで送信可能(送信先は最大5件)
デメリット
- 対PHS通話が激高
- 屋内に電波が入りにくい
- バッテリーが持たない
- 深夜のお得な時間帯がない
通信網の実際
自宅と会社は屋内でも電波状態が良好でまったく支障なし。1.5GHz帯のJ-PHONEで圏外になりやすかった某ファミレスも電波状態良好。通話品質は、固定、PDC(従来の携帯)共に良好。auのcdmaOneはPDC相手だと悲惨な状態になりやすいけど、FOMAは大丈夫。移動中の通話もこれまでになく音質は最高。
しかし、基地局密度の低さから、i-modeが突然接続が切れることがあるし、移動中はメールの送信失敗も多い。2002年の現状では少々不便を感じるが、1年もすれば都市部は解決しそうかな。ただ、FOMAには400パケット無料がありません。パケット料の発生していたimenuは2002年8月1日より無料となりました。徐々にサービスがPDCに近付いてきていますね。
悪く感じるのは、i-mode接続が体感で遅くなったことぐらい。それ以外は全般的に快適になっています。i-mode網への接続が遅いためにメールの送受信は従来のほうが快適に感じますが、一度繋がってしまえばi-modeサイトの表示などは必要以上に高速な感じで非常に快適。
端末側の問題
FOMAはサービスよりも端末に問題がありすぎです。とにかくバッテリーが最大の問題。コネクタ形状が従来と異なるから、従来の充電器が使えないので、USBからの充電ケーブルとか急速充電の製品なんかも全部ダメ。バッテリーはだいたい移動したりすると12~20時間で完全になくなるので頻繁な充電が必要。標準で2つ付属するバッテリーも、本体に取り付けていないと充電できないため、事実上意味なし。わざわざ予備バッテリーに充電するために付け替えて充電なんて面倒なことをできません。
機能面では悪印象が強いです。使用していて感じたのは、N502itとN503iの中間程度の機能ではないかということ。N503iSよりもあとに出たというのにです。とにかくPDC方式の従来の携帯電話の最新機種より1年以上遅れている印象は否めない。503系からの機種変更だと、あまりの使いにくさにショックを受けることでしょう。サービスは最新でも端末はかなり遅れているという感じです。
N50x系を使用していた人には、iモードボタンの廃止が痛い。決定ボタンを長押しするかメニューからiモードを選ぶ必要がある。これは、N2002がN2xx系からの発展型だろうから仕方がないのかもしれないけど……。ほかにもサイドボタンがないため、画面スクロールや日本語変換ではユーザーはこれまでよりも多くの手間が必要となることでしょう。
それから、N2002はアンテナが内蔵です。技術が熟成しているとは言い難い状態でアンテナを無理に内蔵したのは困りものです。次世代っぽくアンテナを内蔵するようにという指示でもあったのでしょうか? アンテナ内蔵は技術が熟成してからにしてほしいですね。電波状態の悪化で一瞬だけ圏外になるというのは従来の携帯電話でも体験したことがある人も多いかと思いますが、N2002は一度圏外になると少なくとも10秒は戻ってきません。このような現象は利用者にとっては害にしかなりません。
体験した不具合
不具合も多いです。原因は不明ですが通話中にN2002がフリーズしたり突如リブートして通話が突然切れたことがあります。電波状態は良好で移動もしていなかったのですが……。また、30分前にはバッテリー表示は最大だったのにいつの間にかバッテリー切れ……というのも結構体験しました。フル充電直後、2時間も経過していないのにバッテリー切れになっていたときはかなりショック。実際にはバッテリーが残っているようなので、バッテリー残量の検出部かバッテリーの接続部に何か問題があるのかも?
それから、画面表示もよく崩れます。例えばメールから待ち受けに戻ったときがこれ。すごい画面ですね。カレンダー表示となる部分が前の画面を残したままになっています。毎月1~2回はこのような崩れた画面を見れるんですよね。何かボタンを押せば直るので実害はないのですが。崩れた画面が思わず笑いそうになるほどおかしくなることも……。
まだ早すぎ
基地局の密度が高くなってバッテリーがもつようになれば、現時点ではいいサービスだと思うけど、端末側の出来が悪すぎてまだまだ時期尚早といったところ。サービスの開始を急ぎすぎたのでしょう。とりあえず、FOMAは現行機種は実用的とは言い難いので、新機種を待つしかありません。N503iSも同時に使用していたんで、突然の通話切れの原因を調べるべく調査を依頼しました。
修理されて戻ってきてからはバッテリーの持ちは大幅に改善されています。
使用期間
2002年1月14日~2002年11月22日まで。N504iSが出たのでFOMAからmovaに戻りました。先にN2051が出ていたらFOMAのままだったかも!?
ここより先は追加情報なので前述の情報と一致していないものがあれば、追加情報のほうが正確です。この点にご注意を。
あまりの不調に目眩がして、N2002からN504iに機種変更を決意。N504iの発売日にドコモショップへ。だが、全色完売。ブラックが残ってなかったらどうしよう……とは思っていたものの、全色完売という予定外のイベントが発生。困りましたね。N504iに機種変更してN2002を調査に出し、直ってきたらN503iSをFOMAに置き換えようと計画していたのですが……。N504iが完売で計画は挫折。
FOMAの調査依頼
機種変更計画は挫折したが、いくらなんでも、ひと月に2回も通話中に再起動がかかるようではおかしいし実用上困る。さらには普段圏内で使えていた編集部で、数分すると圏外になって電源を入れ直さないと圏内に戻ってこないという不調もここ数日発生してだめ押しです。とりあえず、これは調査依頼するしかないでしょう。
ドコモショップで調査を依頼してきました。しばらく症状の説明をしてメーカー調査ということに。発生頻度を考えると、異常なしで戻されそうな予感がするのだけど……。やっぱり着メロとか消えちゃうのかな。
代替機!
N503iSがあるから別にそのままでも大きな問題は起こらないと思いますが、代替機でN2001を借りることができました。調査を依頼しにいったショップには、代替機としてN2002が用意されていなかったか貸し出し中だったようですね。N2002の代替機ならばN503iSのほうを使って耐えるから代替機不要と言うところですが、N2001ならば使ってみたかったのでちょっとラッキーでした。
N2001
画面が有機ELであること、ムービーに対応していないこと以外はN2002とほぼ同一。機能もメニューも同じようで説明書なしでも平気。違和感を感じるのは、メニューの背景が黒で、文字が白ということぐらい。有機ELの画面は、液晶とは見た感じが違いますね。昼間は画面が見にくいかな(というより全然見えないんですけど…)。それと、光っている部分がところどころブツブツとした模様が見えて、なんだか気になってしまいますが、悪くありません。普通にしばらく使っていたら、ちょっと気付いたことが…。
………あれれ? ずいぶん電池の持ちが違う! あきらかにわかるほどの差。何しろ倍ぐらい持つ。もしかして、購入したN2002はバッテリーまわりに不具合があったのかもしれない……。仮にこの部分が初期不良だとすると、FOMAはバッテリーの持ちが悪いという先入観があるだけに気付かないでしょう。もしかして、通話中のフリーズやリブートも、バッテリーの接続部分の問題だったりする……のだろうか?
問題の部分が直って戻ってきたら、残る問題はアンテナと画面の問題だけになるのかも? それだと結構使えそうなだけに戻ってくるのが待ち遠しいです。
戻ってきてから快調!
NECまで調査に行ってしまったN2002ですが、修理されて戻ってきました。代替機を使用していて予想していたバッテリーまわりの不具合が本当に原因だったようで、バッテリー接続部の不良とのこと。折りたたみ部のうち、液晶側じゃないほうがまるごと交換となったようです。上下左右のカーソルの発光色が水色(従来は青)になって戻ってきました。アンテナの反応速度も向上しているみたい。バッテリーも調査依頼をする前の2.5倍ぐらい持っているような感じです。
使用していて感じた不満は、少なくともハード面ではこれでほぼ解消されました。これならばエリア内であれば現時点でもギリギリ実用レベルには達しているんじゃないでしょうか。音声通話よりもメールなどのデータ通信メインの人には現時点でもよいかもしれません。液晶は非常にキレイですし。まだ全面的にオススメはしませんけど……。残る問題は内蔵ソフトウェアかな。504iベースといわれる次のN2201かN2051に期待しておくことにします。
デュアルネットワーク
深刻な財政難がしばらく続くので、両方を契約しておくのは厳しいんでデュアルネットワークに申し込みました。基本的にFOMAを使用し、FOMAのエリア外などでPDC方式の従来携帯の機種を使おうというコンセプトのサービスだとか。そのように丁寧に説明して頂きました。申し込み時に残る電話番号とメールアドレスを聞いたらFOMAのほうだとのこと。電話番号の入れ替えをしてから申し込めば、従来の携帯のほうの電話番号とアドレスが使用できます。継続利用などの割引は継続する番号のほうになるので、申し込む場合には残す番号を間違えないようにしましょう。
基本がFOMAなのでFOMAのエリア外(圏外地域・地下街など)だけ従来携帯に切り替えるという使い方となります。FOMAはフルに機能が使えますが、従来携帯のほうではメールの受信ができません。メールの受信はWebメールを利用します。i-modeメニューからメール受信を行なうというシステムなので、メールが届いても通知がありません。従来携帯に切り替えている間はメール受信は不便です。送信は普通の操作で可能なので、FOMAの文字入力がタコでイヤという人はメール送信をするときだけ従来携帯に切り替えて、送信後すぐにFOMAへ切り替えるという使い方もありかな?
評判があまりよくないデュアルネットワークサービスですが、エリア外で切り替えるという以外にもFOMAに対応していないi-modeサイトの利用時に切り替えるなどの用途もあると思います。使いにくいのは否定しませんが、FOMAをメインで使っていこうと思う人には、欠点を補う手段として非常に有効といえるでしょう。あくまでもFOMAをメインとする人のためのサービスであることを考えれば悪くありません。ユーザーのことを考えれば万人向けにしてほしいところですがね。
その後、改善されてかなり使いやすくなりました。
FOMAの将来はどうか?
通話品質の向上やメール機能の改善などが行なわれていて、NTT DoCoMoのユーザーからすればよさそうなFOMAですが、おそらく5~10年使うであろうサービスということを考慮すると個人的にはやや不安です。気になる点をチェックしてみました。どこまで改善されるかが見ものでもあります。
- 最大10KBのメール
- これはすでに従来のi-mode携帯電話も250文字から2000文字に最大受信文字数を設定変更可能になっているので、必要性が出てくれば改善されそう。
- 最大3回のメール再送信
- 最大の問題はこれか? 不達時の再送信がないよりはマシだけど、わずか3回という仕様を長期に渡って使用するつもりなのだろうか? ユーザーの利便性からするとこの問題は長期的に見て大いに疑問だし、サービスの仕様を変えられるのかどうか……。FOMAの機種側でも対策が必要なのであれば普及する前になんとかしないと戦略的敗北でのスタートになるという気がします。
- PC連携
- 無線LANとのシームレスサービスを行なうわけですが、それならばPC側でメールを送受信したいと思う人だって増えてくるはず。これには対応するのでしょうか……。デュアルネットワークサービスで提供されている従来携帯側でのWebメール受信システムからすると、システム的には対応させることは難しくないのかな?