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VAIO Z(VPCZ21AJ)

マジで? なんでVAIO? と言われた(笑)

2年ぶりのPC購入です。出先でPCを使いたいということもあってノートPCとなりました。自分は約10年ぶりのノートPCじゃないかなぁ。最近の夏は、住んでいる所沢市は落雷で停電がよく起こるんで、UPSでは乗り切るのに不安というのもありましたからね。というわけで選んだのは、携帯性を損ねずに最高の性能を狙うVAIO Zシリーズの第2世代の製品となりました。まあ、一度かなり痛い目に合っている自分がVAIOを選んだのを知り合いにかなり意外だと思われましたが(笑)。

※いつも裏目に出る自分は、これを買ってから落雷がこなくなったという……。いや、落雷に来てほしいわけではありませんが、さすがは裏目でまくりの自分はすごいやという感じですね。

なぜVAIO Zを選んだのか結論からいうと、ほかに希望の条件に合うような機種を出しているメーカーがなかったためです。どんなときもほかに選択肢がないようなオンリーワンとなる製品は強いってことを実感。拡張できないノートPCが嫌いな自分は、その理由としてディスプレイ解像度の低さ、デスクトップと比較して性能が低くて割高という2点が大きかったわけです。

今回の機種選定もそのあたりと基本性能を考慮して次の2点を最重要視しました。重要なポイントとして、フルHD解像度(1920x1080)必須出先で使うことのない光学ドライブなしを最低限の条件としたのですが、意外にもその条件を満たすような機種がほとんどなかったんですよねぇ。どちらかを満たす機種はそれなりにあるものの、両方となるとほぼ壊滅状態で選択肢の中にソニーストアでのオーダーメイドモデルが最有力候補として残りました。

購入するかどうかはまだ悩んでいる段階で、第2次先行予約に申し込んでおいておいたわけですが、結局は他メーカーがあまりにも不甲斐なくて購入に進んだってことです。

オーダーメイドで選んだ項目

最終的に購入することにしたとはいえ、VAIO Zは非常に高価です。カスタマイズは自分が必要とする最低限に抑える感じで、それ以上を求めるような欲を出さないように選んでいきました。まあ、その最低限の条件が自分は高いんですけれどね(苦笑)。

用途を出先での使用と停電時の使用に決め打ちしているため、このような構成で最終的に発注。OSはうちの環境ではHomeだと困るのでProfessionalしか選択の余地なし。CPUは経験上の必要最低限を確保するだけに抑えました。メモリはマザーボード直付けで増設できないVAIO Zの場合は8GB一択。SSDは最小限で大丈夫との判断で128GBです。必要とするデータやツールを入れたUSBメモリや2.5インチのバスパワー対応USB-HDDを使えば補助できる部分なので、あえて贅沢する必要性はありませんね。これらは携帯してもそれほどかさばらないですし。外部接続となっている、光学ドライブや(内蔵GPUより)高性能なGPUや拡張端子を備えたPower Media Dockは自分の用途では不要なのでなしを選択。

しかし、そこまで削っても18万円弱とえらく高額になりました。さすがはニッチ市場といえる軽量ハイスペック機。妥協せずに性能も携帯性も両立させる人はそう多くないでしょうし、毎回買い換えるわけではないから市場はおそらく狭いはず。ある意味、仕方のないところですなぁ。メインPCとして使うつもりでいるのならば、そのまま外出先へ持ち出せる利便さがかなりのメリットとなること間違いなしだと思いますね。これ1台ですべてを賄うという考えで運用するのであれば、最高構成で購入しておくとこれ1台ですべて完結しそうな優秀さです。

セットアップ

届いた箱は意外と横長&コンパクトでした。結構軽かったですね。持ち運び時に衝撃からディスプレイとキーボードを保護するためのクリーニングクロスも付属していました。キーボードの上に敷いてからディスプレイを閉じるようにとのことで、なかなかいい配慮だなと思いましたね。まあ、取り出したらさっそくセットアップ作業の開始です。

セットアップは無線LANを使っていないのであればあっさり完了すると思います。無線LANでも本体内蔵のIEEE 802.11b/g/nは何も問題なく普通に自宅の無線LANに繋がったし、Bluetoothのマウスも問題なく繋がって、トラブルがないのはいいことだという感じでした。まあ、ハード的には無問題でしたがソフト面はOSセットアップ途中でWiFi設定後にホームグループの設定で少しハマりましたけれどね。Windows7は原因を教えてくれないし、何でだろうと悩んだ結果、ワークグループをデスクトップPCは初期値から変えていたのが原因だったという……。ワークグループの指定ができない段階で、パスワードを正しく入力しても繋がらずにエラーを返すだけ(で説明もなしにワークグループが違うとダメですよ)というのはセットアップ部分のOS仕様がまずいだろう。Microsoftさん、なんとかしてよ~。

ちなみに、リカバリーディスクは付属していませんので、初回起動後できるだけ速やかにリカバリーディスクを作成したほうがよいでしょう。リカバリーディスクはDVDかUSBメモリへ作成することが可能で、必要容量は13GBでした。Power Media Dockをなしにした人は、USB接続の光学ドライブで作成するかUSBメモリに作成することとなります。自分は16GBのUSBメモリに作成することを選びました。購入時期の16GBのUSBメモリは1400円しませんでしたからね。それひとつで済むならば複数枚のDVDよりも省スペースでよいのではないかと。

VAIO Careを起動してリカバリーと復元からリカバリーを選んでUSBフラッシュメモリーをクリックすれば、USBメモリへのリカバリ作成が行なえます。すると、VAIOが認識しているUSBメモリの一覧が表示されるので、作成したいものを選べばOKです。互換性がないためリカバリーメディア作成に使用できないUSBフラッシュメモリーがありますなどという怖いメッセージが出るので焦らされますが、どのUSBメモリを対象にしても表示されるので、必ず表示される仕様のようです。なお、メディアが正しく作成できたか確認するにはチェックをつけておきましょう。USBメモリが不良品だった場合にリカバリーできなくなっちゃいますから。

罠なのですが16GBのUSBメモリは粗悪品に当たってリカバリーディスクの作成時にエラーとなりました。3回試したところで、おかしいと思い32GBので試したら問題なし。作成時に容量を余計に要求しているのかなと悩みつつ、エラーとなったUSBメモリへの書き込み検証を行なったところ、USBメモリ側がエラー出しまくりの低品質の粗悪品でした。半日無駄にしたよ……。リカバリーディスクが付属していなくてユーザーに作らせるというメーカー都合のせいでこれだけ無駄に時間と手間を費やされるわけですよ。SonyだけでなくNECもユーザーに作らせているけど、どうかと思う。2008年頃のEPSONはリカバリーディスク付いていたけど、その時点ですでに少数派だったかな。リカバリーディスクなんて重要なのをユーザーがコストと手間をかけて作らないといけないだなんて、明らかにユーザー視点じゃないよね。ソニーストアの特典も延長保証が無料になるとかよりリカバリーディスク無料にしてほしい……。

高速起動がイイネ

VAIO Zは開発陣が力を入れていると言っていたWindowsの高速起動が非常に魅力的です。電源ボタンを押してからスタートアップ処理完了まで20秒以内。休止モードからの復帰ではありません。完全に電源を落とした状態からです。性能的には数段上でメインで使っているデスクトップPCがまだログイン画面まで到達する前にもうスタートアップが完了して、CPU負荷も下がっている待機状態だという驚異の起動速度。これは使い続けるうちに、起動の遅いPCは耐えられないと感じてくるようになりそうな危険な罠となるかもしれません。

一応、電源OFF時から素早くWebを閲覧できるQuick Web Accessという機能も用意されているのですが微妙。独自ブラウザしか使えないQuick Web Accessが使えるようになるまでにうちの環境では13秒ほどが必要でした。13秒あればデスクトップ画面が表示されて、20秒あればブラウザだけなんて限定された用途じゃなく、Windows7のすべての機能が普通に使い始められるわけで、個人的にはこのQuick Web Access機能の使いどころを見いだせません。まあ、ほかに影響を一切与えたくない状況でWebを見たい場合に使えるともいえないこともないので、ないよりはあったほうがよいのでしょうけどね。付加価値とはいえないと思うので、コストアップしない範囲ならばあってもいいんじゃないのかなという感じかな?

なお、Windows7の再起動(終了+起動)にどれぐらいかかるのか「PassMark Rebooter」を利用して再起動に必要な時間を計測してみました。計測を10回行なったところ、平均23.6秒でWindows7再起動ができることを確認。これぐらい高速ならば非常に快適ですね。以下は計測の結果です。

  1. 23秒
  2. 23秒
  3. 24秒
  4. 24秒
  5. 24秒
  6. 23秒
  7. 24秒
  8. 23秒
  9. 24秒
  10. 24秒

出荷時設定から変更しよう

デスクトップ画面にあるVAIOナビのアイコンをダブルクリックして、左のメニューから簡単設定ツールを選んで、VAIOの設定を起動します。そこでVAIOの設定を変更するための項目が集められているツールが起動されるわけです。Windows7のガジェットでデスクトップ右上に表示されているVAIOサポートツールにあるVAIOナビから起動してもよいでしょう。重複しているので、ガジェットかデスクトップのショートカットアイコンのどちらかは削除してしまうという手もありますね。

システム情報BIOS高速起動設定で、BIOS高速起動を有効にするのチェックをつけましょう。これでWindowsの起動時間が2~3秒早くなります。チェックをつけている状態では、SSDからしか起動できなくなる、電源投入直後のVAIOロゴが表示されなくなる、Windows起動までUSB接続の機器が使えなくなるという3点(実質2点)の影響がありますが、普段の使用ではチェックを付けておいたほうが快適なのはいうまでもありません。実際問題としては、USBからBootしたい場合以外はチェックを付けての運用がよいでしょう。

電源・バッテリーでは、バッテリー項目いたわり充電モードを有効にするにチェックを付けて、詳細設定内にあるいたわり充電モード(80%)にしてバッテリー寿命を長持ちさせる設定にしました。10年は贅沢で無茶なことだと思うけど、このノートPCはできるだけ長く使いたいですからね。

VAIO特有の設定はそれだけしか変更していませんが、出荷時状態では(フルHD液晶モデルだけかもしれませんが)Windows標準と異なる設定で出荷されていたので、デスクトップ上の何もない部分で右クリック、個人設定からディスプレイを選んで、ディスプレイの文字サイズが中-125%となっているのを小(S)-100%に変更しました。(既定)となっていますが、それはVAIOのテーマでの既定であって、Windows7の既定値ではありません。13.1インチディスプレイでフルHD解像度だから文字を読みやすいようにやや大きめで表示しているだけのことです。自分はWindows標準の既定値にしておいたほうがトラブルも少ないと判断して変更しました。好みでよいと思いますが、実際問題としては文字サイズを大きくしていてはみ出して表示されるダイアログなどがあったので、実用上問題ありだと感じました。

あとはウィルスバスターをアンインストールしてMicrosoft Security Essentialsに変更です。やっぱりシステムへの負荷が軽いセキュリティソフトが一番だもんね。個人的にはMicrosoft Security EssentialsかESET Smart Securityの2択で、ほかに選択肢はありません。

実際に使ってみて

予想はしていたけれど、13.1型の液晶画面でフルHD解像度は文字が小さいですね。まあ、自分的にはOKなサイズだから問題はありません。スマートフォンの画面で見る文字に比べれば全然余裕です。むしろ、出荷時設定でタッチパッドで横方向のスクロールができなくて焦りました。ノートPCが久しぶりすぎて、自分の操作方法が何か間違っているのかと思ってしまった……。これは単に出荷時無効の設定になっていただけでした。なんでよ?(笑)

人によっては困るかもしれないのがGoogle Chromeを使っている人でしょうか。自分のメインブラウザであるGoogle Chromeは何度トライしてもなぜかエラー0x8004071bでインストールに失敗するという現象に悩まされました。ググって調べてみるとこのエラー、Google日本語入力でも起こるらしく、3日ぐらいしてからリトライすると通る的な話があって目眩が……。でも出荷時のインストール済みアプリにGoogle Chrome 8が入っていたので、そこへメインPCからまるごと上書きで使えるようになりました。13が出ているのに8で出荷されているというのは、あまりよろしくないんじゃないかという印象ですね。ちなみに、Google Chrome 8を使ってみたところUpdateサーバーエラーで自動アップデートはコケました(笑)。やはり古すぎるアプリはこういうところで影響でてくるよね。なんでここまで古いのが入っていたんだろう?

ちなみに、VAIO Zは発売日の到着で、即VAIO Updateを行なったら4つ出てきて、それが終わるとさらに追加で1個増えました。うーん、でもこればかりは仕方がないかなぁ。ソフトウェア開発は完璧なのがいきなりできたりしないもんね。致命的な問題を引き起こすような状態で出荷されていなければ、個人的にはOKという考えです。通知領域にあるバッテリー残量のアイコンが、正しい残量を即座には表示してくれないようで参考にしづらい点だけが不満って感じかな。結構充電しているはずなのに45%表示のままで「???」と思ってから30秒後ぐらいに80%表示になったりしていまいちアテにならないですね。

自分は主にGoogle ChromeとInDesignを主に使うことを想定しての購入なので、チョイスしたCPUでも必要十分以上のCPUパワーがあってイイですねぇ。解像度にも問題はないし、バッテリーもほぼカタログスペック通りの8時間ぐらい持つし(確認後はその80%設定で運用しているけど)、かなり使えるという印象を受けています。PCでここまで満足感を得られたのは12年ぶりじゃないかなぁー。動作も安定していて予想していた以上に使えるので、今のメインPCよりかなり節電にもなるし使用頻度が高くなりそうですね。ここまで使えるのならばSSDの容量をもう一つ上にしておいてもよかったかもしれない。

タッチパッドは昔と変わらず今も使いにくいって感じだったから、Bluetoothマウスを投入しちゃったけど、入力デバイス的にはキーボードも人によっては合わない可能性があるかもしれませんね。キーとキーの間が意外に空いているので、慣れるまではタイプミスが増える人が結構いると思いますもん。

満足度は高いけど、負荷がかかっている状態だと本体左から結構な熱風が出るのには覚悟が必要かな。負荷を全然かけていないのに急に冷却ファンがフル稼働することもあったりして、どういう条件で冷却機構が活発に活動するようになるのかがいまいちよくわからないんですよね。