Norton Internet Security 2008
セキュリティ対策のソフトウェアは、必然的にシステムに深くくい込むことになるわけで、ハードウェアやソフトウェアの組み合わせの影響もあり、ユーザーの環境次第で安定性は変わるという特性があります。最近ではセキュリティ対策ソフトは入れておくのが当然という風潮ですが、逆にそれでシステムを不安定にさせられることがあるので困りものです。
使用感
最初にうちの環境においての結論を書いてしまいます。『Norton AntiVirus』にしておけばよかった……と。ネットワークまわりが酷くて使い物になりませんでした。実際に体験した現象と、仲間うちで発生した現象をまとめて掲載しておきます。体験版を試しておけば損をしなかったなぁ……。とほほ。
- ウイルスの完全チェックが終わらない
- 特定のファイルをウイルスチェックすると、そのファイルの検査がいつまでたっても終了しないということがあります。『Norton AntiVirus 2003』を使っていた頃にも何度か体験した現象ですが、直っていたのに2007年12月頃のアップデートで再発したようで。3.8GBのファイルの検査が4時間経過しても終わらず、CPU負荷が90%台後半を維持してほかの作業に影響が出るとか、わずか15KBほどのゲームのセーブデータで引っかかって3時間経過しても検査が終わらないということがありましたね。ウイルス検出率は競合製品の中では優秀なほうなので、この問題さえなければよいのですが……。
- ネットワークがフリーズする
- 『Windows Live Messenger』で会話をしていたら、突然ネットワーク全体がアクセス不可になってしまう現象に数回遭遇しました。再現条件がわかりませんけど、仕事で重要なファイルをやり取りしているときだったら困りますね。
- また、ライター仲間の提督には特定のメールを受信すると確実にネットワークが死んで困ると相談されたので、添付ファイルのないメールというのでセキュリティを一時的に無効にして問題のメールを受信してみるよう指示して、無事その問題を回避することに成功。しかし、受信メールのウイルスチェック機能を殺す回避方法ではセキュリティ対策に穴が空くわけでよろしくありません。
- アップデート時に異常に重い
- 本製品は1時間に1回アップデートのチェックを行なっているのですが、その時にPCにはかなり高い負荷がかかり、ほかの作業に影響が出ることがありました。Pentium D(2.8GHz)/2GBの環境でこれでは堪りません。
- IDSの自動処理が変だった
- Windows MediaPlayerのCDDBアクセスを遮断してくれるんですよね。Adobe UpdaterやiTunesは許可していたがその判断の違いは何? かといって、手動となる問い合わせも面白いことに自分自身を判定していないという作りで、Norton自身のアップデートである「LiveUpdate」の問い合わせが「遮断を推奨」の表示でポップアップした(苦笑)。FTPは異常に遅くなるし、IDSまわりは出来がイマイチな印象。
- 手動設定の情報をいったんすべて削除して、再び自動処理にして通信が必要なものが遮断されたらそれを許可していくように運用してから数日後、素晴らしき展開がありました。なんと「LiveUpdate」を自動で遮断していて自分自身のアップデートが行なわれていなかったという……。Windows XPのセキュリティセンターにNortonが最新じゃないと警告されて我が目を疑いました(笑)。
- nProtectと相性が悪い
- うちの環境では、MMORPGで不正防止用に組み込まれることの多い「nProtect」が起動したタイミングでOSごと落としてくれることがかなりありました。だいたい10回に1回は落とされて参ったという……。OSを落とすのは勘弁してほしい。
- セキュリティ対策ソフトウェアなのによく落ちる
- Windows Media PlayerでMP3を再生しながら食事をしていたり読書をしていたりしてPCには触っていない放置状態で、「LuCallBackProxy Module」が不正な処理で落ちるというのを何度か体験しましたね。セキュリティ対策ソフトウェアが簡単に落ちたらいかんでしょうに。
- より深刻なのはこちらのほうで、2008年2月13日にWindows Updateで2月の月例セキュリティ更新プログラムを適用して以降、「Symantec Service Framework」がたまに落ちるようになった。これがいったん不正な処理で落ちてしまうと、サービスの再起動処理が行なわれて再び起動し、また落ちるというのを30秒間隔ぐらいで繰り返すようになってしまって何も作業が行なえなくなるという困った状態になります。この現象が発生したら『Norton Internet Security』がウイルスじゃないかと……。なお、もしこの現象が発生した場合は、C:¥WINDOWS¥pchealth¥ERRORREP¥UserDumpsにNortonのダンプファイルが大量に出来ているので削除をしたほうがよいでしょう。うちは総容量3GBにもなっていました。現象の解消方法は、頻繁に表示される不正な処理うんぬんのダイアログに耐えながらWindowsの起動ドライブをデフラグ(自分はPerfectDiskを使った)をしてPCを再起動すること。もしかすると、C:¥WINDOWS¥Prefetchにあるファイルを削除して再起動でも大丈夫かもしれない。
- そしてこちらの「Runtime Error!」は1度しか体験していないので発生頻度や再現方法はまったくわからないんですが、ブラウザで1ページ見るごとにブラウザをフリーズさせてくれるというエラーであります。1度しか体験していないというのは、さすがにもうあきれ果ててしまい、PCを再起動後『Norton Internet Security』をアンインストールしたからです。
セキュリティ対策のソフトウェアは頻繁にアップデートされているため、上記の症状もすでに修正されて直っていたり、一時的に発生していた不具合だったりするのかもしれません。ダウンロード版を購入したので最悪のタイミングでハズレのバージョンを手にした可能性もあるのかも?
もったいないから……と我慢して使い続けていましたが、与えられるストレスと苦痛に耐えられず、ライセンス期間を275日残した状態でアンインストールして不幸から解放されました。
その後もほかのソフトで苦労
セキュリティ対策ソフトウェアなしのままはよろしくないので、『Kaspersky Internet Security 7.0』の体験版をダウンロードしてきてインストール。これはもっとうちの環境と相性が悪くて、インストール後のPCの再起動でWindows XPが起動途中で3回連続でフリーズ。かといってセーフモードからはアンインストールできないという製品仕様に困り果て、無事にWindows XPが起動するまで何度も何度もPCを再起動する羽目に……。
最終的にはなんとか無事起動したものの、Ctrl+Alt+Deleteすら効かずにユーザー操作が不能なまま30分以上待たされ、どうにかアンインストールができたのは体験版をインストールしてから2時間半ほど経過していました。いきなり製品版を購入しなくてよかったよ……。危なかった。Windows XPの再インストールが必要になるかと思ったしね。
2008年6月7日現在は『ESET Smart Security』の体験版を使っています。『Norton Internet Security 2008』と比べて、ブラウザなんかもCPUがワンランクアップした体感速度で動いてくれて軽いのが嬉しい感じ。ウイルスの検出力も悪くないし、期限切れになったらライセンスを購入して1年使ってみるつもり。