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USEN導入記

USENのGATE01 Type-Vを導入するまでの道程です。お互いの利害さえ一致すれば多少は早く導入できる可能性はあります。参考になれば幸いなのですが……。

2003年秋、KDDIの光ファイバー本格参入でUSENのメリットは大幅減。ほぼ同じ価格で70MbpsのVDSLでIP電話もあり。今からだとKDDIかプロバイダを選べるBフレッツかの2択になるんじゃないでしょうかね。

当時の状況

うちは集合住宅です。NTTの光ファイバーは市がエリア内になっても局番はエリア外で、フレッツISDN・ADSLの時同様「受けられるサービスに差があるなら基本料金も変えてくれ」と苦情を言っていました。いや、自分1人がいったところでどうにもならないのはわかっていますけど。

そんな時、真っ先に光ファイバー系でエリア内に入ったのがUSENでした。確か2002年10月初頭のこと。仕事が修羅場ですぐには申し込みませんでしたが、仕事がひと段落付いた10月23日に申し込みました。もう誰かが申し込んでくれているかなぁ…と思いつつ。

コンタクト

USENは対応が遅いというのが某巨大掲示板での評判だったので過剰な期待はしてませんでしたが、申し込み翌日に営業から当方の携帯電話(当時は悪評高い初期FOMAのN2002だった(笑))に電話あり。自分が近隣では最初の申込者だったようで、電話は建物の総世帯数の問い合わせです。この迅速さ、やっぱり営業・サポートは対応した人しだいだから、そこらでの評判は必ずしもあてにならないというわけですね。運がよかっただけなのかもしれませんけど。

実は申し込み時から、この世帯数の問い合わせはあるんじゃないかと思っていました。他社より安く光ファイバーを提供しているということは、当然、(他社よりも)より利益率の高いエリアへの展開を優先するであろうから。よって、回答は落ち着いたもので次のような会話が行なわれました。これは結構重要なポイントとなると思います。

「お住まいの世帯数はどれぐらいでしょう?
小手指ハイツはマップを見ると大きいようですが?」
「うちは○○世帯です。棟ごとに管理組合があるので、導入は全体ではなく棟ごとになると思います。
小手指ハイツ全体に導入できるかは営業次第ですが、おそらく棟ごとに管理組合への個別の交渉が必要でしょう」
「現状のインターネットの接続環境はどのような感じですか?」
「ADSLはほぼ絶望的ですね。
8Mbpsサービスはリンクしない地域のようで、
距離・ノイズに強い1.5Mbpsサービスでもリンクして300~800Kbpsぐらいらしいです。
CATVも来てますが、S棟、H棟、I棟がおそらく同軸ケーブルで下り2.5Mbpsで上り0.5Mbps、
ほかは推測ですがHomePNA1.0で1Mbpsぐらいですよ。
所沢のCATVはネット接続はやる気ないか技術がないという感じで。
所沢はUSENとしては攻めやすいところだと思いますよ。
たぶん狙い目じゃないでしょうか」
「資料だと所沢CATVは10Mbpsですが?」
「最近変わったんです。(2002年)5月頃からだったと思います。
下り速度が1/4になって上りが4倍に変更されました。
それが先ほど述べた値です。
でも遅いでしょ?
USENさんの値段とほぼ同じなのにこの速度ですよ(笑)」
「そういう状況ですか(笑)」

ここまではこちら側からの仕掛け。USENに有利な事項ばかりですが、これ本当に事実だけを伝えてるんですよ。地元CATVがさぼりすぎていたわけですね。この時点では、お互いのメリットを考えた駆け引き段階。自分1人が導入を望んでも、採算が取れないとそりゃサービスが提供されるとは限らないわけで。建物レベルではなく、地域レベルでの(こちら側からの)売り込みというわけです。いわば地域単位で契約をゲットできる可能性を示すことでの導入を目指した戦略的な駆け引きだったと(地域の同意は全く得てない個人的提案だったわけだけど)。ちょっと調べれば、CATVがタコだとかの情報が嘘でない事実であることもわかるし。これだけ有利な情報を示されてやる気を持たない営業はいないだろうというわけ……。

USENへの申し込みと共に、管理組合にも光ファイバーの要望提出。USENからの電話の翌日のことでした。もちろん資料は導入したいと思っていたUSEN関連のものです。資料を提出してネットに詳しい理事に渡して検討するという言葉をもらった翌日に、タイミングよくUSENが入れてくれました。Type-Vのサービス概要のパンフ。今思うに、これは非常に強力な後押しだったのではないかと思います。それからしばらくして理事から電話が……。

「光ファイバーは私も興味あります。
USENを導入したいということですが、初期費用が高くないですか?」
「高いかもしれませんが、光ファイバー系では安いほうだと思います」
「ほかの誰にも導入意向がない場合はどう考えます?」
「自分1人でもいいです。
それで仮に初期費用あるいは契約が高くなってもいいので、
USENの機材をMDF室に置く許可だけはどうしてもほしいんですよ」

管理組合のこの反応も運がよかったと思います。少なくとも導入に否定的ではなかったわけですから。USENさんは1世帯ではいやというかもしれませんが、実際に導入された人の感想や機材が設置済みという既成事実は大きいわけで、設置したもん勝ちでしょう。初期費用が高くなっても……、なんて主張は半ば導入したい側のはったりに近い感じですね。もっとも、自分は必要ならば本気で出すつもりでしたが。結果的には無事導入され、自分にもUSENさんにも、そして自分に続いて契約する人にも悪くはない結果だったのではないかという感じですか。もう、ここまで読めば、どれだけ本気で自分が光ファイバー接続を求めていたのかがわかるかもしれませんが、自分は少なくともUSEN導入にまぢでした。

しばらくし、(おそらくは自分の熱意とは関係なく)運良く理事会でUSENの導入が正式にOKとなりました。ほとんど自分は何もしてないから、USENさんの営業が頑張ってくれたんでしょうね。地元CATVのMediattiがその頃トラブル頻発で評判が最悪だったというのも後押しになったかもしれませんね。導入許可が出た集合住宅としては、小手指駅近辺、もしかすると所沢市内では最速に近かったのではないかと思います。ありがとうございます! 自分と同じ棟でUSENに申し込んだ方々と導入にOKを出して頂いた理事の方。そして、導入を決めてくださった近隣の小手指ハイツの導入決定という間接的な支援にも大感謝です。

USEN導入の効果のほうは、かなり大きいですね。高速なUSENを使えるようになって、おかげさまで持ち帰った仕事を2日徹夜とかでボロボロの状態でデータを持って出社というのをせずとも、高速なUSENを利用してネットで送信して完了…と、かなりましな生活で済ませられるようになって大いに助かっています。USENの方々、そして導入を決めていただいた同じ棟と近隣の小手指ハイツの方々、本当にありがとうございました、という感じです。多謝。

ちなみに、所沢市内がエリアになった直後に問い合わせたBフレッツがどうなったかというと、USENの導入が管理組合で了承されてUSENから光ファイバーの設置要請が行った直後の2002年12月2日に対応エリアへと……。USENのType-VはNTTの光ファイバー利用だから、NTTに申請が行くんですね。タイミングが絶妙だったから、NTTはUSENががんばったあとから後出しでBフレッツ対応にして、そこからさらに3カ月ほど引き延ばしたんじゃないかと一瞬だけだけど邪推してしまいましたよ。実際のところは光ファイバーの工事担当(技術職人)が足りなかっただけでしょうけど。人が足りない以上は、需要のあるところには、1本だけ引くんじゃなく、複数の光ファイバーをまとめて引いてしまって効率的にいこうと判断するのは資本主義社会では当然のことですもん。光ファイバーを引く距離にもよるけど、光ファイバーは機械化してサクサク引けるというようなものじゃないからしょうがないんですよね。