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PCを遠隔操作する

複数台のPCを使っている人ならば、ちょっと別のPCを起動してデータなどの参照を……ということをおそらく誰もが1度は体験したことがあると思います。そのためにディスプレイやPCの切り替え器を利用している人もいるのではないでしょうか。自分もディスプレイは複数系統の入力に対応したものを使っていますし、PS/2とUSBの切り替え器も使っています。とはいえ、ファイルサーバー用のPCの画面を少し参照したりする程度でいちいち切り換えるのもどうかなという気がするわけです。よほど処理速度が必要なケース以外は、ソフトウェアで解決してしまおうというのがこのページの主旨です。PCをリモートコントロールするためのソフトウェアを使い、ハードウェア的な切り替えをなしに対象PCを遠隔操作してしまおうということであります。

うちの場合は、執筆時点(2009/05/23)でWindows XP Professional環境が3台、Windows XP Home環境が2台あるんですよね。Windows XP Professional環境同士ならば、リモートデスクトップ接続という手があり、それが速度的にベストです。しかし、ファイルサーバー用途で投入しているネットトップのAtom環境のPCはWindows XP Home Editionなので、リモートデスクトップ接続には残念ながら未対応。まあ、リモートデスクトップ接続だと、Windowsの終了をしようとすると、リモートデスクトップ接続が終了するだけでPCの電源を落とすことができないというのもネックとなるため、今回紹介する手法も知っておいて損はないのではないでしょうか。

インストールも設定もお手軽

面倒な設定を必要とせずにお手軽にPCを遠隔操作できるフリーのソフトウェアに「ZeroRemote」というのがあります。LAN内の用途となっていますが、インターネット越しにPCを遠隔操作をするという用途はあまりないので、これで十分対応できるはずです。

というか、インターネット越しで遠隔操作をするのは会社のPCを自宅から遠隔操作して自宅で仕事をするという用途だと思われますが、それはセキュリティに穴をあける行為となるので(真剣にセキュリティを考えているまともな会社ならば)管理者に怒られてしまうのでは? 自宅と実家の間でというのであれば、HamachiでVPNを構築すればインターネット越しに遠隔操作が可能です。

リモート操作をするために「ZeroRemote」にアクセスしてソフトウェアの最新版をダウンロードしてください。ZIP形式の圧縮ファイルなので、OS標準のでも別のソフトウェアでも良いのでZIPファイルを解凍しましょう。出てくるファイルはただひとつzeroremote.exeです。お好みのフォルダへコピーすればインストールは完了です。

サーバー側でやるべきこと

まずは操作をされる側となるサーバー側のPCでzeroremote.exeを実行してください。そしてサーバーモードのボタンを押します。遠隔操作が有効になっていることを確認し、サービス起動を登録に変更しましょう。サービスを登録することで、そのPCは起動したら自動的に遠隔操作が可能な設定でWindowsが起動するようになりますから。自分以外に遠隔操作を許したくない場合は、パスワードで遠隔操作に必要なパスワードを設定しておくことも可能です。それ以外の部分は特に変更しなくても問題ありません。待機IPアドレスは覚えておいてください。

セキュリティソフトを使っている場合は、zeroremote.exeに通信許可を与える必要があります。通信が遮断されたら動作しなくなってしまいますから。サーバー側で最低限設定しておかなければならないことはそれだけです。

サーバー側のPCの処理能力によっては、画面の解像度を下げておいたほうがよいかもしれません。ZeroRemote ver1.2.1において、Atom N230の環境では画面解像度1920x1200だとCPU負荷が45-48%程度をキープしていて処理能力にあまり余力なしになりましたから。画面解像度1024x768だとCPU負荷は30-35%程度とだいぶ改善されたので、CPUの処理能力に合わせて画面解像度を調整したほうがよさそうです。

クライアント側は起動するだけ

操作を行なうクライアント側は起動するだけでOK。クライアントモードのボタンを押して、接続IPアドレスにサーバー側の待機IPアドレスを記述するだけ。パスワードを設定していたならばパスワードを入力し、遠隔操作を有効、音声伝送はお好みで、圧縮コーデックはいじらずそのままかMS H.261かMS H.263あたりにしておけば大丈夫かと。圧縮コーデックはサーバー側にも指定したコーデックがインストールされていないとNGです。

OKボタンを押して起動したら、サーバー側のデスクトップがアプリケーションとして表示されるので、反応がやや遅いものの、普通にサーバー側のPCを操作することができます。動画の再生はさすがにちょっと厳しいと感じるけれど、処理が重くなるような用途以外ならば意外と多くのアプリケーションはそのまま使えます。サーバー側PCの処理能力が高いほど実用的な範囲は広がりそうです。今後のZeroRemoteのアップデートで処理能力の向上が期待できそうですんで、バージョンアップにも期待しましょう。

クライアント側も、セキュリティソフトを使っている場合にはzeroremote.exeに通信許可を与える必要があります。