MP3の56kbps制限をなくす
Windows Media Player 10以降では、再びl3codecp.acm(Fraunhofer IIS MPEG Audio Layer-3 ACM codec professional版)が付属するようになっています。これを使うことで、MP3のCODECで320kbpsまで利用することが可能です。速度もかなり早くなっているのもよいですね。Windows Vistaは最初からFraunhofer IIS MPEG Audio Layer-3 ACM codec professional版が入っているのでレジストリの変更だけでいけます。
インストールしなくても利用することは可能です。その場合はダウンロードしたmp10setup.exe(英語版でも日本語版でも可)を解凍ツール(LhaplusやWinRARなど)で解凍し、自己解凍書庫内にあるファイルl3codecp.acm(MPEG Audio Layer-3 Codec for MSACM)を取りだしてください。これをC:¥WINDOWS¥System32フォルダへコピーしておけばOKです。Windows Media Player 10が出ていないWindows98/Meでは前述の手順で自前でl3codecp.acmを用意しないといけません。
なお、l3codecp.acmを使ってエンコードする場合は、ファイルサイズにこだわる必要がなければLow Pass Filterが掛からない160kbps以上で保存しましょう。とはいえ、96kbps以下ではlameの開発者自身が低ビットレートではlameよりFraunhoferのほうが音質がよいと発言していたらしいので(英語圏まで調べにいく時間がないので真偽不明で自分は未確認)、それが本当なのならばlameの出番は96-128kbps以上だと思う。曲にもよるんだけど、手持ちの趣味のジャンルの曲では実際聞き比べると低ビットレートはlameのほうが苦手な傾向があるみたい。軽くググって調べたところ、低ビットレートで活躍する技術の組み込み有無の差のようです。となるとファイルサイズの削減を目的にした96kbps以下でMP3を使う場合は、Fraunhoferを使ったほうが幸せかもしれません。
ACM登録を変更する(Windows2000/XP/Vista)
インストールしただけではMP3のCODECを利用するアプリケーションからl3codecp.acmを利用することができず、従来の56Kbpsが上限となっています。そこでレジストリを変更してl3codecp.acmを利用可能にしましょう。Windows2000の場合はインストールの初期設定では、WINDOWSでなくWINNTフォルダなのでレジストリ設定値に要注意。
必要な方は設定を変更するレジストリファイルをご利用ください。
- HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Microsoft¥Windows NT¥CurrentVersion¥Drivers32
- msacm.l3acm=C:¥¥WINDOWS¥¥System32¥¥l3codecp.acm(320Kbpsサポート)
- msacm.l3acm=C:¥¥WINDOWS¥¥System32¥¥l3codeca.acm(初期値)
このようにレジストリを変更することで、LameACMを使わなくてもVirtualDubやAVITULから直接音声をMP3の320kbpsまでで出力ができるようになります。
レジストリで参照するファイルを変更するより、リネームして上書きのほうが安全ではないかという意見をもらいました。レジストリの書き換え方を間違えるなどでレジストリの書き換えにはリスクが発生しますが、そうならないように設定を変更するレジストリエントリをダウンロードできるようにしているわけです。あくまでも自分の個人的見解ですが、OS標準と異なるファイルを上書きするというシステムのファイルを勝手に変更する行為のほうがレジストリの変更とは比較にならないほど危険度が高いと思うんですよね。まあ、でもどちらの方法にしても自己責任ですからお好きなほうでどうぞ。
ACM登録を変更する(Windows98/Me)
Windows98/MeではACM情報はレジストリではなく、C:¥WINDOWS¥SYSTEM.INIにあります。メモ帳などのテキストエディタでそれを開き、[drivers32]セクションのキーmsacm.l3acmの値を変更してください。l3codecp.acmのパスを記述します。C:¥WINDOWSフォルダへ入れたのであれば、C:¥WINDOWS¥l3codecp.acmを記述しましょう。