最低限知っておくべきこと(売買の仕組み)
売買の仕組み
約定価格がいくらになるのかというのにはルールがあります。前場や後場の寄付き(取引開始直後)での価格と決定と、ザラバ中の価格決定はやや異なるので注意が必要です。
ザラバ中
始値が決まったあとの(終値が決まるまでの)取り引きはザラバといい、次々と発注される価格で株の取引が行なわれていきます。ザラバ中の発注には2種類の方法があります。
- 成行注文
- 値段を決めずにいくらでもいいからという取引方法です。売りたい(成行売り)/買いたい(成行買い)というだけで、価格は相手の言いなりとなるので最優先で注文が処理されます。これは「価格優先の原則」といわれているものです。成行売りは買い数量の一番上の価格(画像の状態であれば181000円)、成行買いは売り数量の一番下の価格(画像の状態ならば182000円)で取引が成立します。もっとも、証券会社から証券取引所へのデータ伝送が遅延したり、株価が急激に変動している場面では思わぬ価格で売買が成立する可能性があるため、多少のリスクが発生するかもしれません。なお、成行買いを実行するには口座にその銘柄のストップ高となる残高が必要です。これは価格を指定しない取り引きであるため、ストップ高での購入となるケースが絶対にないとは言い切れないためのルールといえます。もちろん、口座の買い付け余力から引かれるのは成立した取り引きの価格ぶんです。
- 指値注文
- 価格を指定して注文を行なう方法です。こちらは発注した順番に取り引きが成立していくので、早く並んだ人から約定していきます。これは「時間優先の原則」といわれ、同じ値段であれば早く発注した人から優先されるというものです。値動きの激しい銘柄の場合は、指値注文をしていると成行注文での売買が次々と約定して取り残されてしまうこともあるかもしれません。急がないが取引価格は必ずこの値段じゃないと困るという際に使う発注方法ということです。売り数量、買い数量に表示されている数量は、この指値注文が入っている数量の合計ということになります。注文が遅くて後ろのほうに並んでいたり、成行注文で割り込まれる可能性があるので、確実に売買できるとは限りません。
- ※取引開始前の注文については、取引開始時(板寄せ時)に並び順がシャッフルされます。
板寄せ
売買が開始される前は売りと買いの価格が交錯していることがあります。板寄せはその交錯した状態から、すべての成行注文と始値となるよりも安い売り注文と始値となるよりも高い買い注文すべてが約定するような最適な価格となるバランスの価格を算出し、始値を決定するものです。約定値段の売り注文か買い注文のどちらかがすべて約定する状態にするのが板寄せということになります。
まず成行注文が優先して処理され、残った売り買いの数量は板寄せで決まった始値よりも高い指値買いと安い指値売りを優先的に約定させていき始値が確定します。すなわち、始値が181000円に決まったのであれば、183000円で指値買いで注文をしていた人は買いたい価格よりも安く買えるというわけです。
終値も板寄せによって決まります。引けの成行売りが多ければ意外な安値で終わりますし、逆に引けの成行買いが多いと終値が高くなってくるので、大引けはほかの投資家がどのような判断をしたのかが気になる時間帯といえるでしょう。
特別気配
直前の株価とかけ離れるような発注があると、相場が混乱しないように「特別気配」という板寄せが行なわれます。投資家に急激な買いあるいは売りが発生していることを伝え、反対側の注文を待つといったことが行なわれるのです。反対側の注文が入らないか不十分だと、5分ごとに徐々に株価を上げるか下げていき、バランスの取れるところまで注文を呼び込みます。特別売り気配(特売)、特別買い気配(特買)といわれるものです。
資料
買い数量や売り数量の板をTickといいます。1Tickの差でどれぐらい株価が変動するかは一定のルールがあり、1円単位とはなっていません。株価によってその呼値が異なっているためです。すべての価格帯で1円単位の取り引きをしていてはキリがないので、このようなルールが定められたのだと思われます。コンピュータでのオンライン処理になる前は手作業でしたし、オンライン処理となって1円単位で処理をすることは不可能ではないかもしれませんが、投資家が増大した今となってはシステム負荷の増大でトラブルが発生しそうなので1円単位での処理は非現実的ですね。そういう感じで、ルールがあるので一応チェックしておいたほうがよいと思います。まあ、発注時にシステムがチェックしてくれるから知らなくても問題はないですけどね。
定期的に呼値の刻みは改定されていますので、証券会社のサポートページなどで確認するようにしてください。
株価 | 呼値の刻み |
---|---|
~2000円 | 1円 |
~3000円 | 5円 |
~3万円 | 10円 |
~5万円 | 50円 |
~30万円 | 100円 |
~300万円 | 1000円 |
~2000万円 | 10000円 |
~3000万円 | 50000円 |
3000万円~ | 100000円 |