ファンレスで無音な動画編集PCを購入してから1年が経過

Windows

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メインPCの突然死での買い換え

2023年5月12日も普通にメインPCを使用して作業を行なっていました。ところが、突然ブラウザがフリーズしてキーボードもマウスも反応せず、完全に固まってしまったのでやむを得ずPCを再起動することになったんですよね。ここまでは稀にあるWindows11のフリーズだろうぐらいにしか考えていませんでした。

ところが、PCを再起動するとディスプレイに何も表示されずに、キーボードのNum Lockも点灯せず。それでもまだこの時点では楽観視をしていました。どうせマザーボードの設定初期化で直るだろうと……。ごくごく稀にこういうことが起こりますもんね。過去にそれで直ったこともあったし。ってことで初期化のためにマザーボードのボタン電池を外して、ネット利用はiPad Proでたいていは対処できるからメインPCは放置しておいて翌日。

…………………………………… うそ~~ん? ……………………………………

マジかよ、マザーボードの初期化でも回復しないじゃないか💦

まさかの完全死亡ですかい。終わったなって思うと共に、再セットアップの面倒な作業で確実に時間を吸われることが確定したので目眩がしたという。まあ、壊れる前に移行をってことで、このところ5年周期で買い換えていたわけで、すでに後継機とするべくPCの要求性能は決定済みだったから素早く更新機材をポチれたのがせめてもの救いというべきか……💦

購入したPCは完全ファンレスPC

最近は割と高性能なCPUでもファンレスで音のしないPCがあるよね~ってことで、次は完全ファンレスにしようって思っていたわけです。冷却ファンがないPCって、自分はPC-9801のCPUが80386初期の頃以来じゃないかなという気がするけど、それは記憶違いでもっと前だったりするのかも。とはいえども、半導体不足と円安でPCは価格高騰していたから、壊れるまで買わないって方針でいいんじゃないかとか暴挙な考えが湧き上がって購入を踏みとどまっていたら、不運にもメインPCが突然壊れてあたふたしたわけですが……。これまで長くても5年周期で経年劣化故障を恐れて買い換えていたんだけど、買い換え周期を守るべきだった💦

でも買い換え周期ゆえに既に買う候補を決めていたのが素早く購入できた結果に繋がったかなと。購入したのはこれ。静音/ファンレスPCに定評ある オリオスペックの「DB4 Fanless Silent 13th」でした。キューブ型でケースが一体成形のアルミ素材になっていて放熱はケース全体で行なう仕様。ケース自体が巨大なヒートシンクというわけですね。実はケース自体はずいぶん前から販売されているんですけれど、ケース単体売りでもかなり高額です。マザーボードのコネクタは本体底面となります。そのため、購入前にケーブルの抜き差しには手間がかかることを覚悟しておかなければなりません。そうそういじることもないだろうと自分は気にせず。本体外へUSB-C接続でHubを設置すればよいので。USB端子は以下の通り。

  • USB 3.2 Gen1 Type-A x2
  • USB 3.2 Gen2 Type-C (20Gb/s) ※映像出力未対応
  • USB 2.0 x2
  • USB 3.? Type-A x2 ※仕様未確認(マザーボードのコネクタから接続されているケース側端子)
PCの構成(インテル® ドライバー & サポート・アシスタントより)
OS Windows 11 Pro
マザーボード ASRock B760M-ITX/D4 WiFi
プロセッサー Intel® Core™ i7-13700T
グラフィックス Intel® UHD Graphics 770
オーディオ Realtek High Definition Audio
ネットワーキングと I/O Intel® Wi-Fi 6E AX211 160MHz
Realtek USB GbE Family Controller
Bluetooth Device (Personal Area Network)
Realtek PCIe GbE Family Controller
インテル® ワイヤレス Bluetooth®
メモリー 32GB
ストレージ WD Red SN700 500GB ※システムドライブ
CT4000MX500SSD1 ※4TBデータドライブ

CPUはIntel® Core™ i7-13700Tを選択

省電力と動画処理時の性能を考慮した結果、Intel® Core™ i7-13700Tがよいのではないかと判断。壊れたPCのIntel i9  9900Kと比べても処理能力が高そうで消費電力の削減と性能向上の両方を達成できる見込みだったからです。消費電力が減ってくれれば実質性能が多少落ちても構わないという判断もありましたが。個人的にはIntel i7 3770Kの時に試してみた内蔵GPUによるハードウェア処理のQSV(Intel Media SDK)がどれぐらい改善されたのかが気になるということもありました。

マザーボードはASRock B760M-ITX/D4 WiFi

Bluetoothはほしい機能でしたがWi-Fiは不要だったんですよね。まあ、なくて困ることはあっても、あって困ることはないので特に問題とはなりません。それよりも気にしないといけないのは、アルミケースだということ。アルミで電波が減退しますからねぇ。Bluetoothデバイスを使うのならば、マザーボードに付属のアンテナを取り付けるのが必須。ケース底面の端子のメンテナンスが面倒になりますが。うちの環境ではWi-Fiもアンテナの有無でだいぶ速度に差が出ました。おそらくどのような環境でもマザーボードにアンテナは取り付けて、アンテナの角度を調整したほうがよいでしょう。

1年使ってみての使用感

  • 室温27℃以下ならばMP4動画出力でもサーマルスロットリングがほぼ起こらない。25℃以下なら完全に大丈夫な感じ。
  • 無音じゃなくなっちゃうけど、ほぼケースと同じ高さのUSB扇風機ELECOM FAN-U177BKを弱でケースを強制冷却に使えば室温35℃でもサーマルスロットリングは起こらない。さすがケース自体が巨大なヒートシンクなだけはある。必要な時にだけ強制冷却という選択肢もあるわけです。
  • Windows 11では省電力モードで使ってはいけない。使うならば省電力モードの電源プランの詳細設定をカスタマイズして、プロセッサー電源管理で「プロセッサ パフォーマンス コアの最小コア数コアパーキングする最小コア数」を少なくとも80~90%に変更、「最小のプロセッサの状態」を20~25%にしないと厳しいと感じる人が多そう。ベンチマークを取って性能を把握して設定することをせず、CPU性能を無視して実用性を無視した5%一律固定設定になっている初期設定のWindowsはかなり罪だと思う💦
  • 動画編集とか高負荷をかけなければケースを触っても全然熱くない。ただし、1度高温になると冷えるまでに時間がかかることもあるから、強制冷却なしのファンレス状態で連続で動画編集をするなどには向かないと思う。
  • AVIUTL + QSV出力で24分アニメは電源プランがバランスモードでもIntel® Core™ i7-13700Tでフィルターなしならば7~8分でH.265/HEVCでのMP4出力が終わって快適。
  • 負荷なし時は省電力モードで消費電力が概ね3W以下になることが多く、バランスモードでも5~7W前後になっているから、電気代高騰しすぎ時代に省電力優先でIntel® Core™ i7-13700Tを選んでおいてよかったかなと思ったり。
  • PC側が無音になっても、外付けHDDにファンがあるとそれがうるさく感じるという問題があった(笑)。いや、今まで外付けHDDの音なんてあまり気にならなかっただけに、完全ファンレスだと静かになりすぎて外付けHDDの音も気になるのかと驚き。だが、外付けHDDをSSDに置き換える予算はない💦
  • IntelのBluetoothドライバーアップデートをする際には注意が必要。アップデート後、再起動するまでBluetoothデバイスの反応がなくなります。マウスもキーボードもBluetoothだと操作できなくなって再起動をさせられずに詰むのでヤバい。アップデートをする際には有線接続でマウスかキーボードのどちらかの接続をしておきたいですね。なお、AnkerのAAC対応BluetoothヘッドセットはIntelのBluetoothと相性が悪いのかうちの環境ではSBCコーデックでしか繋がらない。
  • 放熱の関係でGPUは取り付けられない。購入時にはAI処理をする予定がなかったから仕方ないんだけど、AIを利用している今ならば違う選択肢を選んでいてもよかったかなと思うことがたまにある。でも消費電力が気になるからこのPCを選択したのはベストかはともかく悪くない判断だったと思いたい💦

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