3週間使ってのXperia Z4(402SO)の感想

この記事を読むのに必要な時間は推定で最大約14分40秒で、速読ですとその半分ぐらいです。

Xperia™アンバサダーでXperia Z4を借りて3週間が経過しました。そろそろ返却のことも考えないといけない時期ですね。2015/07/02はXperia Z4を持って群馬県まで出かけたので、日帰り旅行での体感というのも得られたんで、印象面では1週間使用時とはまた少し変わった部分もあります。そのあたりをまとめてから返却を行なおうかなと。

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2015/06/28に西武秩父駅から18:50頃にガラス越しに撮影してみた光景。条件がよければXperia Z4のカメラ機能はホント優秀です。

バッテリーは本体を発熱させない運用ならばかなりイイ感じ

まずはバッテリーからいきましょう。これが切れたらどんなに性能がよくても意味がありませんからね。群馬県へ向かった2015/07/02は、自宅出発時のバッテリー残量は98%。100%じゃないのは出発までにフル充電できなかったためです。まあ、2%程度は誤差でしょうから気にしません。70%ぐらいまでの充電はこれまでのXperiaよりもかなり早い感じがします(約60分ほど)。この日の運用は以下の通り。

  • Xperia Z4(402SO)が圏外でない限り別の端末は未使用で、メイン端末としての使用。
  • 写真撮影は端末の発熱を抑えるべく必要最低限にしたところ、結果的に撮影枚数53枚で、写真は基本的にデジカメで撮影(NFCのワンタッチ転送で写真を取り込めるデジカメ併用ならば、こういった感じになるのではないかと想定&ワンタッチ転送で取り込んでSNSへの投稿もある程度実行)。
  • Twitter/Google+/Gmail/Chromeを割と頻繁に使用。
  • 画面の明るさ(基準値)は最低にして、自動調節を有効、スマートバックライトも有効。

まずゲームをしないことを前提に話すとですが、今回の運用で感じたのは高確率で発熱を引き起こすカメラ機能の使用を減らせば(カメラ機能がそれほど必要なければ)、Xperia Z4はかなり使えそうな端末という印象でしょうかね。アピールしているカメラ機能を切り捨てれば……っていうのは、現実的にどうなのだろうかという感じる人も多そうだけど。コンパクトデジカメを持っていて普段からよく持ち歩いているユーザー層はいるでしょうし、そういう層ならば特に問題なく使えるんじゃないかと思います。あとは、デジカメは持っているけど、スマートフォンで撮れるならばいいやと携帯頻度が下がっていた人が、仕方ないな~ってまたデジカメも持ち運ぶかって思うならアリではないでしょうか。そういった人たちならば、不満度がほかのユーザー層と比べて大きく減ると思われます。

ちなみに当日に一定時間以上留まっていた場所は以下のような感じです。そのあたりの場所では(圏外でなければ)SNSやブラウザの使用が多かったはず。Google+でピックアップされたXperia Z4の写真から作られたストーリーはそんな感じでした。

  • 埼玉県所沢市
    • 小手指駅
    • 航空公園駅
  • 群馬県安中市
    • 横川駅/おぎのや 横川本店
    • 霧積ダム
    • 坂本ダム
    • 碓氷第三橋梁 (めがね橋)
    • 中木ダム
    • 安中市役所 谷津庁舎
    • 安中榛名駅
    • 安中駅
  • 群馬県高崎市
    • 高崎白衣大観音
    • 観音山みはらし台

時間的には出発から帰還まで14時間ちょいぐらいでしょうか。これで帰宅時にバッテリー残量が13%ありました。STAMINAモードなどの省電力機能は未使用で、Wi-FiもBluetoothもNFCも常時ONという状態。同じ状態で普段使っていて、従来の端末(Xperia Z1/Xperia Z Ultra)ではここまでバッテリーが残ったことがなかったため、発熱問題さえ起こらなければバッテリーの保ちはかなり優秀に思えます。それゆえに、モバイルバッテリーをまったく使わずに乗り切れたのは意外な結果でした。ただ、もうバッテリーは3日ぐらい大丈夫とか言い放つ現実と大きく剥離している各社の開発現場の人たちはどんな風に端末を使っているんだろう?

(モバイル通信オフでWi-Fi/Bluetoothのみなら、通知確認+αぐらいで使うなら10日ぐらい持つこともあるけど、両極端な使い方をしている自分的には、基準値的な使用頻度というのがよくわからない……)

充電は一長一短か?

2015-07-03 19.08.35マグネット充電端子が廃止されてしまったので、自宅での充電時にはUSB端子にケーブルを毎回差し込まないといけないのが地味につらく、過去にマグネット充電端子の便利さを実感している自分にとっては日々ストレスがたまっていきます。この時点でXperia Z4を購入する気は完全になくなりました。

モバイルバッテリーからの充電時にはキャップレスのUSB端子はありがたいんですけどね。USB端子を使わないといけない頻度によって印象が大きく変わりそうな部分かな。

あと、自分は落下防止でネックストラップを使っているんですが、これまで(直近のXperiaは)ストラップホールが端末右下にあって、USB端子が左上と対称な部分にあったから、両方を同時に使うとポケットに入れにくくて非常に運用が面倒でイライラさせられるような状態でした。Xperia Z4ではどちらも端末下部にあるから、その問題が解決されているのがいい。まあ、まだイヤホンジャックが上側なので、全部同時に使う状況になると辛いんだけど……、高音質CODECにも対応したんだから音楽はBluetoothで聴いてよってことなのかな?(Bluetoothのヘッドセットがバッテリー切れになる頃にXperia Z4側もバッテリーピンチになって、結局USB端子とイヤホンジャック両方にケーブルって状態になりそうな未来も見えそうなのだが……)

ミーティングの時に開発者の方に聞き忘れてしまったんだけど、個人的に気になるのはUSB端子へのケーブルの抜き差しはどれぐらいの耐久性を考慮して設計されているんだろうということですね。充電に影響が出るまでの回数と、キャプレス防水USB端子の防水機能に影響が出るまでの回数はおそらく異なりますし。ここを聞き忘れたのは痛恨のミスなり。

市街地を離れるとモバイルネットワークの接続にやや難アリ?

これはXperia Z4だけの問題ではなさそうなので、Sony Mobileの今後の機種で改善を願いたい部分。前回群馬県のダムへ向かった時に、Xperia A2(docomo)よりiPhone5S(だったかな? docomo版)のほうが通信可能エリアが広かったので懸念していましたが、今回の安中市のほうでもXperia Z4(402SO)が圏外なのに他社端末(同じSoftBank回線)が圏内ということが何度もあったという。都市部ではほとんど違いを感じないんで、ダムのある山のほうなどへ行かなければ無問題なんだろうけど、個人的には山とかでエリアが狭い端末は万一の場合には命に関わりそうなので不安を感じてしまいます。あと、そういうギリギリのエリアでは、一度圏外になってしまうと、圏外からの復帰が他社端末よりも遅い感じですね。節電方向にチューニングしすぎなのかも? 節電方向じゃなく、逆にパフォーマンスとかエリア優先モードみたいな設定をできてもいいんじゃないでしょうか。

カメラに過度な期待は禁物かな?

Xperia Z1以降は、細かい修正ぐらいであまり変わっていないようにしか思えないXperiaのカメラには期待しないほうがよい気がします。まあ、初期出荷時のXperia Z1は暗いシーンではピンぼけ連発でピントが合わない病を持っていたわけだし、カメラ起動時や撮影時にカメラ機能フリーズとか、初期のXperia Z1で結構ひどかったバグはXperia Z4では当然修正されているけれど……。Xperia Z4のカメラの問題は、今回そういう不具合ではなく単純に発熱問題のとばっちりっぽい面もあるから、カメラ担当の方たちは理不尽な影響になんとか耐えて次の製品に怒りをぶつけるぐらいの勢いで開発を頑張って、機能を一新してほしいところ。

  • 処理能力が向上しているのに、相変わらず20.7Mでの撮影はマニュアルモードのみ。20.7Mでの撮影を売りにしているのに、8Mまでででないとプレミアムおまかせオートやマニュアルモードのシーンセレクトが使えないんで、iPhoneと同じ解像度の実質8Mカメラ運用になりやすい icon-arrow-circle-left いつになったら20.7Mでもいけるようになるの?(発熱による制約で対応できなかったりするのかな?)
  • カメラキーを押してからXperia Z1以降で再遅のカメラ起動速度になったように感じるのと、ピント合わせからの撮影完了のタイムラグが過去最大になった感じの目眩がするほど移動体(にゃんこなど)をまともに撮れなくなったカメラ(これは今後のアップデートで改善期待できるのかなぁ?)。
  • 動画撮影開始時に録画がプチフリーズして、最初に少し映像が変化しないことがあるバグ持ち(Xperia Z以降の機種で初めての体験だけど(Xperia GXではたまにあった)、Z4では何度も体験  検証には不十分な回数だけどアップデートが来て直ったかも?)。
  • Xperia Z4側の発熱がまったくない状態からマルチカメラを起動して、同時撮影したいデジカメと接続ができた段階で、いざ撮影開始と思ったら録画もできずにXperia Z4が本体高温で強制終了してしまうことが多々ある何のためにあるのかわからないマルチカメラ機能……。使わせてよぉ。対応Xperiaは持っていないからわからないけど、α5100/α7Sが相手だと時間がかかって接続した段階ですでに本体がかなり高熱ってどうなんです?
  • (これは以前の機種からだけど)プレミアムおまかせオートでの最適シーン判定の遅さ。新しく対応したといっている料理モードも、マニュアルに切り換えて料理を選んで撮影したほうが断然早くないですか?

ちょっと振り返ってみただけでこんなにカメラは……。理想条件での撮影結果がいくらよいと言われても、そんなことは滅多にないことは撮影をする人ほど知っています。やはりあまり撮影しない層をターゲットにしたマーケティングをしている結果なんだろうか? 逆に、カメラはデジイチを併用してよって割り切りなのか(さすがにこれはないだろうと思いたいけどねぇ)。とりあえず、カメラ性能は購入前に実際に試してみるべき。試す際は高温になるまでの時間も計測しておいたほうがよいかもしれません。

タイムラプスとか最近のカメラの定番機能がないのに、どうでもいいような機能があったりする微妙さもなかなかの悪い意味でのレア感だと思ったりしちゃうんだよね(SONYのデジカメはタイムラプスアプリを1000円以上で売っているし、10台まで制限あるし、そういう方向っぽいから今後もXperiaでは期待できなさそう)。

写真の画質のほうは実際に見てもらうのが一番なので、グンマーで撮影してきたプレミアムおまかせオート(8M)で撮影した写真をご覧ください。動体じゃなければ、プレミアムおまかせオートで特に問題はない感じがします。

2015-07-02_13.41.06_Sony_402SO_ISO80_F2.0_1/125sec 2015-07-02_13.51.45_Sony_402SO_ISO50_F2.0_1/400sec 2015-07-02_14.09.05_Sony_402SO_ISO50_F2.0_1/160sec 2015-07-02_15.35.05_Sony_402SO_ISO64_F2.0_1/125sec 2015-07-02_16.27.06_Sony_402SO_ISO50_F2.0_1/1000sec 2015-07-02_16.45.45_Sony_402SO_ISO50_F2.0_1/200sec 2015-07-02_17.53.59_Sony_402SO_ISO50_F2.0_1/320sec 2015-07-02_19.25.00_Sony_402SO_ISO800_F2.0_1/50sec 2015-07-02_19.40.36_Sony_402SO_ISO1600_F2.0_1/16sec 2015-07-02_20.24.37_Sony_402SO_ISO12800_F2.0_1/8sec 2015-07-02_20.25.59_Sony_402SO_ISO1000_F2.0_1/40sec 2015-07-02_20.43.16_Sony_402SO_ISO3200_F2.0_1/16sec


やっぱり3週間使ってみて思うのは、すべて足を引っ張っているのは発熱問題を起こしているQualcommのSnapdragon 810なんじゃ……。ほかにも駄目な部分が0ではないけど。発熱から影響する範囲以外では、素晴らしいパフォーマンスを発揮している。そんな印象を受けました。これ、他社が大量に安定供給できるようになったら、迷惑を受けた反動でチップを供給しているQualcomm的にはひどい展開もありえそうに思えてしまう。

でも、そもそもの話だけど、どんな部品を使うかなんてユーザーには関係ないんだよね。供給した側も採用した側も責任があるんで。駄目な端末には某呪文的に「全ての愚かなるものに我と汝の力もて、等しく滅びを与えんことを」でいいんじゃないのかと思ってしまう。そんな感じ。現状のXperia Z4はさすがにXperia大好きな自分でも買えないなぁ~。

遠出をする時には容赦ないほどがっつり使いまくるような自分は、ある意味普通じゃない自覚はあるけど、さすがに今まで買ったXperiaやお借りしたことのあるXperiaでクォリティー的には一番マズいという印象かな。Xperiaというブランド名を残したいのならば、これを完成形なんて発言はホントやめたほうがいいです。使いにくくはないけど。というか、むしろ便利になっているんですが、普通に使えないケースがあるものを完成形と言ったら長期的視点で見ればかなりヤバいよねぇ。

最初から懸念していた発熱の影響が大きすぎるって印象は、実体験後はやっぱり……で、懸念から現実に変わりました。こりゃ、ダメなチップのせいで技術者的にも無理ゲーだったんじゃないのかと……。そう思いつつも、ここはがんばったんだよっていう技術者の意地っぽい部分が感じられたあたりは次の製品への期待ができそうな感じかな。すぐに必要ならばXperia Z3、待てるのならば次の世代のXperiaって思ってしまうのも仕方がないと思います。

なお、アプリのもたつきは、お借りしている間に来た2回目のアップデートでだいぶ解消されて気にならないぐらいになった感じがします。あと2週間ぐらい試せないと確信を持てないんだけど、もう返却なのでそのあたりの検証はできません。気になっている方、すまぬ。名古屋と神戸だったかでXperia™アンバサダーが行なわれるはずなので、そこで借りた人の感想をチェックしてくださいな。仕事で忙しい時期に入っちゃうので、ギリギリの期間限界まで使い倒すこともなく返却するんで……。相変わらず4週間という期限が厳しい。

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