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ここまではっきりと自滅の道を歩んでいる会社を見られるのも珍しいと思うニュースで笑ってしまいましたよ。
すべての対応が悪すぎますね。
河北新報 東北のニュース/英空港に置き去り 仙台の男性、旅行会社を提訴
添乗員付きの欧州ツアー旅行で英国のヒースロー空港に置き去りにされ、精神的苦痛を受けたとして、仙台市若林区の50代男性が4日までに、ツアーを計画した大手旅行会社阪急交通社(大阪市)に慰謝料など計40万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。 訴えによると、ツアーには男性ら26人が参加。ことし1月、スペインやポルトガルを訪れ、ヒースロー空港で帰国手続きを取った。テロ警戒で手荷物検査が厳しく、男性と女性添乗員、女性客の計3人が無作為で選ばれ、再検査を受けた。 添乗員と女性客は先に再検査を終え、搭乗ゲートに移動。添乗員は男性が遅れる旨をゲートの係員に知らせた後、係員の指示で成田空港行きの航空機に移った。男性も再検査を済ませてゲートに駆け付けたが、出発に間に合わなかった。 添乗員は携帯電話で男性に「飛び立つので(男性は)もう乗れない。頑張って帰ってきてください」と伝えたという。 男性は現地の旅行代理店を通じてホテルを予約。英語があまり話せないため道案内などのガイドを依頼し、ホテルに1泊し、別の航空機で帰国した。宿泊費やガイド代は自分で負担したという。 被害の弁償などをめぐり、男性は旅行会社側と何度かやりとりしたが、帰国後、会社側から「会社に過失はなく、金銭の補償はしない」といった連絡があったという。 男性側は「安全に旅行できると思って添乗員付きのツアーを選んだ。添乗員は空港に残って男性の安全確保に力を尽くすべきだった」と主張。阪急交通社の担当者は「裁判になったことは誠に残念。法廷で見解を述べる」と話している。
まず、検査が厳しくなって搭乗時間に間に合わなくなったのは、空港側の問題だから本来は空港を訴えるべきではあります。
ですが、検査で間に合わなくなるようなギリギリの時間でスケジュールを組んでいた時点で旅行会社にも一定の非はあることは間違いありません。
とはいえ、ここは今回の問題の主要部ではないでしょう。
問題なのは、海外旅行におけるトラブルが不安だから添乗員つきの高いプランで契約していたのに、添乗員(=旅行会社)に見捨てられて海外でひとりぼっちにされてしまったということ。
帰国する費用は持ち合わせていたようで通訳やガイドとか予定外の宿泊費を負担して無事に帰ってこられたようですが、帰ってこられないような人が見捨てられた可能性もあったわけですよね。
おそろしいことです。
少なくとも、旅行会社がこの部分の負担をするべきところ。
それどころか不安にさせたのだから、見舞金を用意するぐらいの状況ではないかと思います。
添乗員も本社に連絡して、国内の出迎えを用意してもらい現地に残るべき事案だったはず。
それが「頑張って帰ってきてください」とは不信感と不安を与えるだけでしょう。
何らかのトラブルでツアー客が搭乗できないケースは容易に想定できるはずですが、その対応を会社としてマニュアル化できていなかったんでしょうね。
初期対応の時点で問題があるわけで、リスク管理の最初の段階から間違っているといえます。
もっと深刻なのは、現場だけではなく会社組織自体もリスク管理という概念が希薄なことでしょうか。
今回のような状況では、客の側に何も非がないわけで被害の弁償を求められたら応じるべきでしょう。
厳密に解釈すれば、契約事項で免責される部分に含まれていたのかもしれません。
しかし、このように訴えられてしまっては、短期間では回復不能な致命的なイメージダウンとなってしまうのですから、実費負担をケチったために当事者からの信頼を失っただけでなく、このニュースを見た人たちの信頼も失ってしまったことは間違いないでしょう。
旅行会社のツアーへは、添乗員付きならば当然不測の事態におけるトラブル対応をしてもらえる安心感を値段に含めて買うわけですからね。
少なくとも実費の数百倍のダメージを受けたのではないかと思います。
しかも、それは今後いつまで不信感をもたれるかわかりません。
添乗員の言葉もよくないけど、会社側の「法廷で見解を述べる」も被害を拡大させてしまったのではないでしょうか?
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