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Cyber-shot DSC-T7

この2005年の夏、サントリーは「500名に世界最薄のデジタルカメラDSC-T7が当たる」というキャンペーンを行なっていたのでした。「暑い夏はビールを飲みたいよなぁ~」とサントリーのモルツをひたすら飲み続けてポイントを獲得。スロットの挑戦権を得たから「当たれ~」と祈りつつチャレンジしたら、なんと当たってしまったんですよね。

届いたこの製品、最薄部が9.8mmでちょっと慣れるまでは撮影時に持ちにくいですが、この薄さと大きさならば常に携帯できるからかなり便利ではないかと思います。これで使い勝手と画質もよければ何も言うことありませんね。さっそく使用してみた感じをレポートしましょう。

あえていうまでもないと思いますが念のため記述しておきます。本ページのDSC-T7本体の写真はDSC-T7で撮影したものではありません。2つ持っているわけじゃないから……。CASIOのEX-S100で撮影したものを利用しています。

主なスペック

画質良好なれど……薄型の制約が!?

DSC-T7を斜め手前から見たところ

▲レンズのカバーを下げると電源が入る。レンズはせり出さないので、うっかりとレンズに触れたりしてのトラブルというのはないだろう。

DSC-T7の操作部を見たところ

▲操作ボタンは左側にあるが、右下にも削除ボタンなどが用意されている。液晶は大きくて結構見やすい。

薄型で有効画素数510万画素と通常使うぶんには十分な性能を持っています。なんといってもレンズの選択が老舗のカールツァイスというこだわりがイイですよ。画素数が多くても、レンズがしょぼいとイマイチな画質ということになりかねないので、その点このDSC-T7はレンズに不安なし。薄型デジカメ用のレンズで、カメラ使用時にレンズがせり出すこともありません。光学ズームは3倍まで対応です。画質を気にする人はデジタルズームを使うことがないでしょうからここでは触れません。接写は8cm程度までならOKです。画質は実際のデータを見てもらうとして、問題なのは500万画素のファイン(高画質)で撮影すると、付属するメモリースティック デュオが32MBなために、わずか12枚ほど撮影しただけでいっぱいとなってしまうことでしょう。少なくとももっと大容量なメモリースティック デュオ(あるいはメモリースティック PRO デュオ)を購入する必要があります。500万画素で撮影するならば最低でも128MBはほしいかも。ちなみにサイズが小さいデュオ専用なので、メモリースティックは使えません。このへんは薄型の宿命でしょう。仕方がないことだと思います。液晶モニターも大きく、この部分の使い勝手は良好です。ただ、なぜか本体左側に操作ボタンがあるのに違和感を感じてしまいます。これまで使ったことのあるデジカメは、全て右側にあったもので……。まあ慣れの問題ですけどね。なお、電源オンから撮影ができるまでは、約1.1秒ほど。まずまずの実用レベルでしょう。

バッテリーチャージャーと変換アダプタ

薄型のための制約がいくつかありますが、まず使い勝手で困るのは充電ではないかという気がします。本体からバッテリーを外してバッテリー充電器で充電しなければなりません。頻繁に使用してバッテリーもすぐに消耗するような使い方をする人は、この充電が面倒に感じることはほぼ確実でしょうね。一応、これは別売のACアダプターAC-LS5K(3500円)を利用すればACアダプターで充電が可能なようです。また、本体を見ていて気付くのは、USBの端子がないことでしょう。USBで接続してPCにデータを取り出すためには、標準で付属する変換アダプタを利用することとなります。ただしこれはPCに接続するときにだけ繋げばよいわけで、USBケーブルを接続する代わりにUSBケーブルを繋いだ変換アダプタを接続するだけのことだから、慣れてくればそれほど気にはならないでしょう。ちなみに、変換アダプタにはDC IN、USB端子、A/V OUTの3つの端子が用意されています。

本格的に使おうとすると三脚を使ったりすると思いますが、これは薄すぎて本体だけでは対応できません。DSC-T7を置くスタンドに三脚穴があるので、三脚を使うならばスタンドが必須となります。これも持ち運ぶとなるとちょっとかさばるかもしれませんね。スタンドはまさに置くだけのもので、USB端子なんかもないし、充電にも何ら寄与しないので誤解しないようにご注意を。

手ぶれ軽減をしたいなら

撮影でわかりやすいのが、ピンぼけと手ぶれでしょう。ピンぼけはデジカメならばシャッターの半押しがうまくいかなかったというケースや、AF(オートフォーカス)の設定あるいはAFの判定エリアが適切でなかったということが多いことでしょう。それは撮り直しですぐに直せると思います。では手ぶれのほうはどうすればよいのでしょうか? 三脚を使う? 常に持ち歩けるならばそれが最善でしょう。でも工夫でしのげる可能性があるならそれを覚えておいてたほうがよいですよね。いくつかの方法を紹介しますが、ある程度写真を扱う機会の多かった雑誌編集者として経験的に覚えたものであって、全然専門じゃないんで過信はしないでくださいな。

DSC-T7の場合は、メニューがやや直感的ではないかもしれませんが、カメラモードをプログラムにするとユーザー側で細かい設定が可能となります。ISO感度の設定はこのモードで行なえることを覚えておくとよいでしょう。ISO感度は、手ぶれ防止機能がないデジカメでも手ぶれを軽減する効果を求めることができます。通常の撮影ではISO 100が多く使われますが、感度を高くするとシャッタースピードが早くなるため、手ぶれを軽減することができるのです。デメリットとしては粒子が粗くなってノイズが増大しますが、撮影シーンによっては活躍してくれます。感度を高くすると手ぶれの危険性が減るものの画質が低下し、感度を低くすると高画質になるが暗所や手ぶれで不利になるという感じで覚えておけばOKです。

明るいところだと、一般的に自動で感度も高くなるので明るいところでの撮影ならば楽。できるだけ明るい場所を撮影場所に選ぶのが吉です。もっともその前に、(飲み会とかならば)カメラをテーブルに置いてぶれないようにするとか、(風景撮影シーンでは)近くに壁や柱や立木があるならそれを利用してぶれないように押しつけるように固定して撮影するとかの工夫で対処可能ならばそうしたほうがよいでしょう。フラッシュを焚くとその一瞬を撮影するようになっているから、フラッシュを焚いても大丈夫ならばそれもありです。

これは個人的な所感ですが、デジカメの画素数は500万画素ぐらいになるともう必要十分以上なので、記録メディアに保存できる枚数などの制約(500万画素だと1枚で2~2.3MB消費)を考慮すると、今後はデジカメも画素数の競争よりももっと身近で現実的な手ぶれ防止機能などの付加価値を競う方向が主戦場となってくるんじゃないでしょうかね?

撮影以外の機能は?

USB経由で撮影したデータを取り出そうという場合には、DSC-T7の電源を入れなくてはなりません。そんなの当然じゃないかという人も多いでしょうが、CASIOのEX-S100に慣れていると手間だったりします。あれはクレードルに置いておけば充電もできるし、クレードルのUSBボタンを押すだけでPCからデジカメのメモリがドライブとして認識されるのですよ。そのあたりの使い勝手のよいデジカメと比較すると、残念ながらやや不便な感は否めません。撮影した画像を見たいだけなのに、レンズ部分をオープンしないといけないというのも惜しい気がしますね。せっかく閲覧、静止画、動画とモードスイッチがあるのだから、電源オフ時に閲覧モードにスイッチを切り替えたら、液晶画面でのビューアモードになるとかの工夫があればもっと便利になると思うのですが(バッテリー消費も変わってくるだろうし)、このあたりはユーザーインタフェース設計からの綿密な打ち合わせがないと実現できなそうだから、将来的に企画側と開発側の綿密な打ち合わせなどの結果での工夫に期待したいですね。

本機で撮影した画像のデータは、デジカメ画質比較ページをご覧になってください。