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VALUESTAR G typeS

一般的な使用では最低限必要なCPU速度さえあればたいてい事足ります。複数台のPCを持つ場合に、処理速度優先のPCとそれ以外のPCという考えによってPCを使い分けることにしました。ちょっとした作業において消費電力の高いPentium4を使うのは維持費に影響します。それよりも、どうしても処理速度が必要なケースを除いた一般的な作業は、Pentium Mなどの省電力な製品を使ったほうがよい。そういう判断で選定していったときに、デザインが良好で省スペースでもあるNECのVALUESTAR G typeSが条件を満たすことを確認。これを今後の常用機として使用することを決意しました。壊れるまではこれを主に使っていくことで節電対策とする予定。本機で出来ないようなことのみパフォーマンス優先のPCに任せるということで。さすがに1人暮らしだというのに毎月12000~15000円の電気代を払うのはつらいので、ここらあたりで抑制を考えようというわけです。電源が長時間入りっぱなしのメインPCをこれに置き換えることで月額1000円以上の節電が目標。使い分け開始から1カ月目は1400円の節電となってかなり効果ありでした。

購入はNEC Directでカスタマイズあり。型番はPC-VG16FECEJになりました。メモリは仕様上最大の1GBに変更(WindowsXPなら最低512MB、DTPなどメモリ食いの用途もありえるなら1GB以上必須だと思う)。ハードディスクはキャンペーンで安かったので250GBを選択。選択可能内で最速だったCPUのPentium M 725(1.6GHz)はPentium 4の2GHzよりやや速い感じです。もちろん、処理内容によって差はあるんでしょうが、一般的な使用における体感速度において受ける感じが速いというもので、厳密な比較はしていません。環境が結構違うのでCPUだけでの比較ができないので……。2GHzのPentium Mが選べればよかったんだけどね。

電源は本体右側にあり、本体左側にはテレビのアンテナやビデオ機器からの入力、USB×2、LANなどがあります。IEEE1394(i.LINK)は本体前面にあって4pinのみです。本体前面にはほかにも、メモリースティック PRO/SDメモリーカード/xD-ピクチャーカード兼用のトリプルメモリースロット、PCカードスロット、USBがあります。よって、デジカメやカメラ付き携帯電話を使う人も安心でしょう。本機で録画した番組は携帯電話用のムービー(SD-Video)としてSDカードに書き出すことも可能です。詳しくはSD-Video書き出しをご覧ください。

魅力的な部分

ナイスなデザインで省スペース
キーボードが収納可能
本体の下側にキーボードが収納できます。キーボードを収納したときに電源をオフ(休止・スタンバイ・終了)にしたり指定したソフトウェアを起動させたり、キーボードを取り出すと電源が入るように設定が可能。これは結構便利な連動機能ですね。
スピーカー不要
液晶画面から音が出るSoundVu®が採用されていて、スピーカーを別途用意する必要なし。スピーカーいらずなので設置するスペースを節約できます。本体側面にはサブウーファもあるので結構音響はイイ感じではないかと思いますよ。冷却ファンの音がうるさくないときはですけどね。
音が出ているときは画面を触るとかすかに震えているのが面白いですね。ショップで展示品を見かけたら触ってみるのもいいかもしれません。
ワイヤレス
キーボードもマウスも無線を利用してのワイヤレス接続となっています。ケーブルがないので、邪魔に感じたときには一時的にお好きな場所へどかすことが可能。だいたい本体から1.5m内ならば通信できるようです。通信可能距離は電池残量によりそうですが……。おそらく省スペースを考慮する人であれば、その理由は邪魔になると困るというものだと思いますが、その点ではこのワイヤレスというのも省スペース面でさりげなく役立つことでしょう。
家電感覚で使える
Windowsを起動せずに使える機能
これを設置する部屋など、置き場所によって嬉しいのはインスタント機能でしょう。電源オフ状態か休止状態であれば、Windowsを起動することなく、「テレビ」「DVDプレーヤー」「CDプレーヤー」として使用することができます。すなわち、本体の液晶・チューナー・ドライブを利用してそれらの機能を実現しているわけです。ただし、使えるようになるまで電源を入れてから10秒ほど必要になります。休止モードからの起動であれば20秒ほどで(フルに機能が使える)Windowsが起動することを考えると微妙な時間ではありますね。
なお、インスタント機能を利用中に録画予定時間が来たら、その旨が表示され、インスタント機能を使い続けるか、録画のためにWindowsを起動するかの問い合わせが表示されます。その場にいなかったときを考慮しているためか、問い合わせを放置しているとしばらくしてWindowsが起動されて録画開始という動作です。
PCとしてだけでなく、「液晶テレビ」「CD/DVDコンポ」の機能も兼ね備えていると考えることができるわけで、購入時にそれらも買うんだと思えば純粋なPCと比べて割安感が出てくるかもしれませんね。Windows起動時の番組録画は、ハードディスクでなくDVD-RAMへ直接記録することもできます(DVD-R/RWへはHDD経由での編集保存)。つまりDVDレコーダでもあるといえるでしょう。一人暮らしを始めるにあたって購入するPCとしては、2004年末時点においてはお薦めかと思われます。

詰めが甘い惜しい部分

キーボード
本機はリモコン・キーボード・マウスでそれぞれが単3電池2本を使用しています。そこで「ちょっと待て!」と思うのはキーボード。せっかく本体に収納可能なんだから、なぜ収納時に充電できるようなものにしなかったのかという点が大きな疑問でしょう。技術的あるいはコスト的に困難だったのかもしれませんが……。
冷却ファン
家電的に使えるのに加えて、デスクトップPCなのに省電力のためにPentium Mを使ったりしている素晴らしいパーツチョイス……。なのに、電源ファンとCPUファンが結構うるさいですね(うちのだけなのかもしれませんが)。SoundVu®で高音質を謳ったり、サブウーファ付けたりしているわりには、設計上で静音性への考慮がないのが非常に惜しい部分。せっかくのよい部分が台無しです。テレビやコンポ的な使用を考えれば静音性はこのPCに必須だと思うのですが、なぜかそれらの対策が行なわれていません。将来の本シリーズに期待したいところですね。いや、将来的な機種を自分が買うわけではありませんが……。
CPUファンと電源ファンは、自己責任で静音ファンを買ってきて交換という手もあるかもしれません。気になる人は筐体内部を参照してください。
高画質化回路
ゴーストリデューサ、3次元Y/C分離が搭載されていません。VALUESTARの最上位機種のシリーズに登載するのは当然として、家電的な使い方をするユーザー層を取り込む本機のシリーズにも搭載するべきものだと思うのですが、これらの回路が省略されているのはどうなんでしょうね? 少々微妙な気がします。
省電力モードへの移行
ADAMS-EPG受信後や番組録画後に省電力モード(休止・スタンバイ)にするよう設定しておくと、PCをそのときに利用中だと省電力モードへ移行するか聞かれます(問い合わせを5分放置すると省電力モードになる)。答えるのが手間といえば手間ですが、問い合わせもなくいきなり電源オフになるVAIOのRZよりははるかにマシかな。でも、この機種はせっかくキーボードが収納できるのですから、キーボードを収納していないときは使用中とみなして問い合わせをせずにそのまま利用継続という設定ができてもいいんじゃないかと思います。残念ながらそのような設定はできませんけれど……。ソフトウェアのアップデートで将来的に対応できそうならば対応してほしいところですね。本当に惜しい。ほかの機種や単品販売のSmartVisionと共通のプログラムだから無理とかいうのであれば、そのようなアップデートが行なわれることはないでしょうが……。
逆に受信後や録画後に何もしないように設定しておくと、電源が入りっぱなしになるのでそれはそれで困ります。アプリケーション側からは、元々電源が入っていたのか、録画中にマウスやキーボードはどれぐらい使われたかというあたりでユーザーがActiveかどうかを知ることが可能なはずので適切な自動処理が出来そうなのですがねぇ。
ハードディスク割り当て
出荷時はDドライブが4GB程度、残りは全部Cドライブという理解不能なパーティション割り当てとなっています。ハードディスクやCD/DVDからリカバリをすると、Cドライブのデータは消えるわけで、SmartVisionで録画した番組も保存フォルダがCドライブにあるのでリカバリ時には消えてしまいます。普通に考えて録画したデータは消えては困るものなのに、なぜか消えるほうのドライブに保存フォルダが設定されていることと、容量割り当ても録画のためかCドライブにほとんどが割り当てられるという仕様がユーザーの利便性を考慮していないように思われます。リカバリなしに割り当てを変更したければ『Partition Magic』などを購入せざるを得ません。
SONYのVAIOだと2002年のは10GB、2003年の製品は20GBをCドライブに割り当て、残り容量はすべて番組録画に使われるDドライブに容量配分が行なわれているのですけどね。リカバリ時に録画した番組が消えるNECと消えないSONYはどちらがユーザーのためかというのはいうまでもありませんね。改善を強く希望したい部分といえます。まあ、SONYは高いんで「Partition Magic」を買ってもNECのほうがだいぶ安くつくわけですけど。

気になる部分をチェック

魅力的な部分と惜しい部分を見て、この機種が気になった人はこの先の各ページの情報をご覧になってください。判断材料になるかもしれません。また、他社製品しか使ったことがないという人も、比較したい部分をチェックすると将来的な買い換え時に役立つかもしれません。

まあ、そんなところかな。DVD関連は、すでにある家電のDVDプレーヤーで再生するためにDVD-Videoを作るより、維持費であるメディア代を考慮したら長期的にみればDVDに書き込んだりネットワーク上にあるDivX/WMV9/XviDを再生可能なネットワーク対応DVDプレーヤーを購入して置き換えたほうが断然安くつくのであまり気にしていません。メディアの山に埋もれるのは、仕事のデータをバックアップしたCD-R時代で懲りたというのもあります。