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KDDI光プラス

これまで使っていたUSENのType-Vサービスは、2003年の秋頃からDNSサーバーまわりのトラブルと思われるものが多くて嘆いていました。一時的なトラブルはともかく、どこかからproxyを調達したり、自前でDNSを用意しないと見られないサイトがあって困った状態。Bフレッツのニューファミリータイプは結局絶望的状況の中で、USENのType-Vと同価格でKDDI光プラスが来たので乗り換えてみました。サポートがよくないKDDIは好きじゃないんだけどね。申し込みは2004年1月31日で開通したのは2月19日でした。20日掛かるというのはちょっと遅いですね。

ちなみにニューファミリータイプのほうは、5カ月も待たせておいて管理組合から得られた回答は「総会で議題として提案をして総意を得られればOK」というものでした。こんな回答なら翌日にでも返せるものじゃないのかなぁ総会での総意では無理だな。提案するだけ無駄だ。現状では、大規模修繕工事のときにでも構内LAN配線化が行なわれることを期待するしかない。

好きじゃないVDSL

うちのマンションの場合はLAN配線がないから、当然VDSLモデムでの接続となりました。下り70Mbps、上り30Mbpsを理論上の最大値とするモデムは、住友電工ネットワークス株式会社製のVTE5010です。VDSLならば実測で理論値の2/3程度は出てほしいので、期待する速度は下り45Mbps以上、上り20Mbps以上と考えていました。

KDDI光プラスはVDSLとLANの2種類があり、LAN配線のあるマンションだと上下とも100Mbpsと高速です。

開通当日に接続してみると、下り35Mbps、上り3Mbpsと悲惨な速度を計測。下りのほうは我慢できるとしても、会社とのデータのやり取りに必要な上り方向が激烈に遅くなって目眩が……。えぇ、即刻USENに戻そうかと考えてしまいましたよ。一応、xDSLモデムはノイズの少ないときにリンクを確立させたほうが速度が出るので、深夜1時過ぎに再リンク。どうにか期待していたのに近い速度が出るようになってひと安心です。リンク切れだとかこういうシビアな面、そして何よりも(現在は100Mbpsに制限を掛けているだけで)600Mbps以上出る光ファイバーに比べて遅すぎるのがVDSLを嫌う原因だったりするのですよね。新しいVDSLが出たときに高速なほうに切り替えてくれるのか不安もあるし……。まあ、とりあえずVDSL接続環境での速度の計測結果を以下に掲載しておきます。もちろん無線ではなく有線接続の結果です。

2004年の夏頃以降に管理組合と合意して機材を設置した集合住宅では、2004年春に発表したNTTやUSENと同様の100MbpsのVDSLが使われています。届いたVDSLモデムがVTE5030の方はおめでとうございます。100Mbpsタイプですから。理論値とはいえ、同じ値段で速度が30Mbps(42%)も変わるのはいかがなものかと? ADSLでそんなに理論値が違ったら別の料金なのに……と思う人が出てきそうですね。なんか損した気分がしないでもないが、個人的にはKDDIということで元々期待しちゃいけないと思っているので、もうそんなイベントが起こったのか、予想よりも早かったなぁ……で自己完結。提供されているサービスは速度・電話ともに今のところ問題が起こっていないので、致命的障害が起こらなければ現状でも自分は特に不満はないかな。

==== Radish Network Speed Testing Ver.2.25 - Test Report ====
測定条件
 精度:高 データタイプ:標準
下り回線
 速度:51.12Mbps (6.390MByte/sec) 測定品質:99.5
 上り回線
 速度:18.57Mbps (2.321MByte/sec) 測定品質:99.7
測定者ホスト:***************.******.dion.ne.jp
測定時刻:2004/2/20(Fri) 1:13
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測定サイト http://www.studio-radish.com/tea/netspeed/
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うちの環境では、MTUは1500、RWINは134320にしてあります。RWINはもっと大きいほうが計測値は稼げますが、実際の利用においてはやや不都合が生じるのでバランスを考えてその値に(もうちょっと落とすかも結局116800まで落としました。これより大きいとストリーミング動画の分割ダウンロードが99%で止まることが多かったので……)。設定に使っているのは無料で使えるDr.TCPです。速度が出ない人はこのツールで調整してみるとよいかもしれません。MTUの最適値はフレッツなどの1448とは異なる点に注意しましょう。速度が出ない場合はレジストリをいじる必要があるかもしれません。下はアバウトに設定してみたWindowsXPのレジストリの例です。

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\AFD\Parameters]
"DefaultReceiveWindow"=dword:0001C840
"DefaultSendWindow"=dword:0001C840
"LargeBufferSize"=dword:00004000
"MediumBufferSize"=dword:00001000
"TransmitWorker"=dword:00000020

ZoneAlarmなどのIDSやファイアウォールを使っていると測定サイトの測定用データと相性が悪くて速度が2Mbps程度しか出ないことがあります。ほかの計測サイトで速度が出るようならば問題ありません。

HGW(HomeGateWay)

KDDI光プラスは送られてくるHGWを使う必要があります。NECのルータBR1500Hをベースにした製品BL150HVであり、追加機能はIP電話用とTV用のポートと制御ソフトです(その後変更があったようで2005年後半の時点ではBL170HVらしい)。NECのAtermを簡略化した設定画面で使えます。呼び出しはブラウザから"http://web.setup/"でOK。ただ、このHGWはDHCPでは最大6台までしか使えないように制限が掛けられているのがいただけません。まあ、7台も接続機器がある人はそういないし、LAN内のPCはIPを固定して用意すれば問題ないんでしょうけどね。(2007年8月頃のファームウェアアップデートにより、ひっそりと64台まで割り当て可能に変わっていました!)ルータのスループットは70Mbps程度はあるBR1500Hがベースなので、VDSLの理論値と同程度は最低でもあるだろうから速度面では不満を感じることはないでしょう。

ちなみに、PCは1台しか持っていないからHGWを使わずに節電したいというのであれば、受け取ったHGWのMACアドレスにPCのMACアドレスを変更することで直接接続が可能となるはずです(契約違反になりそうなので自分は未確認。あくまでもやるなら自己責任で)。ただし、その方法はHGWが必須となるIP電話もテレビも使わない場合のみ有効。

HGWはファームウェアが自動アップデートとなっています。困ったことにアップデートが行なわれると通信が切断されます。アップデートの告示を見たところ、電話中の場合は自動アップデートで切断されることはないようです。

個人的にはHGWは黒色というのが大いに不満。リビングに置くなら色は白じゃないとつらいんですけど……。テレビは本気じゃなく、やってますというポーズなのですかね。黒なんて最悪ですよ。

KDDI光プラスはグローバルIPじゃないみたいだから不安という人もいるかもしれません。ですが、HGWまではグローバルIPが来ているのでグローバルIPです。ルータ同様のHGWを必ず使わなければならないというだけ。HGWはUPnP対応なのでMSN messengerとかもOKです。FTPやWebサーバーの公開も設定すれば可能。仕事のデータやりとりでFTPとWebはサーバー立てていましたが全然問題ありませんでした。UPnPなどに対応していないアプリなど、どうしてもグローバルIP同様に使えないと困るという場合は、HGWの「詳細設定」にある「高度な設定」でDMZホストを指定しましょう。LAN内のどこへ送ればいいのかわからないデータはDMZホストに指定されたPCへ送られるので、この設定でたいていは問題を回避可能。よって、ネットワークゲームやIMのファイル転送などでエラーとなるなら、DMZホストを設定すれば解決すると思います。まあ、所詮は個人(コンシューマ)向けのサービスなので、光プラスで大規模サイトを自宅サーバーで……なんて無謀なことは考えてはいけません。いや、そんな無茶なことを考える人はほとんどいないと思いますけどね。

うちの環境ではLAN内をIPを固定にしているので、192.168.xx.xxxがメインPC。DMZホスト機能を使用する配置はLAN側に設定して、DMZホストのIPアドレスに192.168.xx.xxxを指定しています。ただし、DMZホストにするPCはセキュリティ設定をしっかり行なっていないと大変な目にあうかもしれませんのでご注意を。

また、ルータのログを見たい場合にメニューにログの表示がないので困りもの。ただ、これはほかのAtermと同じ"http://web.setup/log_main.html"をブラウザで開くと見れたりします。直接ファイルに保存したい場合は、"http://web.setup/system.log"でテキストファイルに保存するとよいでしょう。LOGを定期的に保存したい場合は「R@L」をお試しください。ただ、残念なことにBL170HVはログの表示機能まで省略されているらしく、アクセスログ自体を見ることができないらしいです。

気づいたこと

2004年3月10日
"www.infoseek.co.jp"がエラーで見れなくなった。あのー、テレビのiEPGはそこ利用しているから激しく困るんですけど? 8時間ぐらい不通でした。
2004年6月15日
HGWのファームが8.0fにアップデートされた。
2005年2月
HGWのファームが8.4fにアップデートされた。
2006年5月17日
HGWのファームが8.55にアップデートされた。
2009年11月5日
HGWのファームが8.61にアップデートされた。

配線

VDSLかつナンバーポータビリティで光プラス電話も契約している人は、ケーブルが多くてジャマだよなぁ……と思っていませんか? 「少し減らせないんだろうか?」と。

指示通りに配線していれば以下のようになっていると思います。
[モジュラージャック]---[分岐コネクタ]---[VDSLモデム]---[ホームゲートウェイ]---[PC or LAN]
                              |                                |   |
                              +------[インラインフィルタ]------+   +---[電話機]

IP電話が使用可能になって、ホームゲートウェイの電話のランプが緑に点灯したら、もう分岐コネクタとインラインフィルタは不要です。モジュラージャックからそのままVDSLモデムに接続しましょう。インラインフィルタ側の配線は、光プラス電話が利用可能になるまでの間、NTT側回線を使用するためにだけ必要なもの。つまり、光プラス電話の開通後は不要です。

うちの場合は無線LANにNECのWB7600HをHubモード(ディップスイッチ2をONにするだけ)で使用しています。ホームゲートウェイのETHERNETポートからWB7600HのETHERNETポートをケーブルで繋ぐだけ。新規に購入する人は無線LANアクセスポイントを購入すればOK。

この先は導入までのある意味笑い話とか。役立つ情報はたぶんありませんので、時間のない人は読まなくて大丈夫ですよ。

やっぱりKDDIは……

「最初の2週間ぐらいは無課金のお試し期間ですよ」と「3月4日か5日ぐらいからの課金開始だから2月中は請求は一時金(税込み3150円)だけ」と言われていた。だが、2月末に請求されたのはそれ以上の金額。おかしいから問い合わせたところ、一時金+日割りのIP電話基本料金だという。話が違うじゃないかよ、騙された……。やっぱりICレコーダーを説明会に持っていくべきだった。しかもNTTの回線休止が行なわれたのは25~27日ぐらいでそれまでIP電話が使用可能な状態にはなっていなかったのに、料金請求は19日からの日割りになっている感じの金額。

やっぱり自分はKDDIを信用できない。説明会の話は参考程度に考えて鵜呑みにせず、本当に気になる部分はカスタマーセンターに聞いたほうがよいかもしれません。説明会に来るスタッフは派遣か代理店でしょうから……説明があてにならない可能性があるんじゃないかと。

…………、その後また嘘が発覚。どれぐらい電話を使うのか聞かれたから「掛けるのは携帯からばかりで固定は受け専門。BSデジタルの双方向番組ぐらいにしか使わない」と話したら、「それなら光プラス電話に乗り換えたほうが安いし問題ないからお得」などといっていたのに、光プラス電話からはBSデジタルの双方向番組で使われる電話番号には掛けられないじゃん……。まぁいいけど。最近は仕事に追いつめられていて双方向番組に参加する時間すらないから。

楽しめた導入前の説明会

説明会が行なわれたときは、生活時間帯が昼夜逆転していたので、夕方に聞きに行った。Bフレッツのニューファミリータイプが放置されているとはいえ、(ここまで引っ張られたら限りなく低いと思いつつ)そちらの許可の可能性を考えてさほど積極的ではなかった自分。KDDI光プラスは最低契約期間が6カ月あるからね。

HGWを使いたくなかった自分は自前のルータを使えないのかを質問したり、USENはDNS障害などで繋がらないページがあったからDNSまわりを聞いたり……。たぶん、いろいろほかの人たちとは違う面の質問をたくさんしてしまったんでしょうね。途中から「あなたはこのマンションで一番詳しそうだ。USENの現状を教えてほしい」みたいなことを言われて話が長引いてしまった(爆)。その時に知ったのだけど、XPプリインストールPCで1Mbpsしか出せていない人がいたようで、なんてもったいない使い方をしているのかとまたその話で……横道に逸れる……みたいな。DDI PocketのあれでKDDI嫌いと思われている自分がKDDIの営業の人たちと和気藹々と話していたという、知人が見たら目を疑うような異様なシーンがあったのは内緒だ。

結局、技術的にUSENよりマシで接続障害が減るだろうということ、お試し的な最初の2週間で致命的と思う問題があったらペナルティなしで解約させてくれると聞いたこともあって契約にサイン。だが、最大の理由は何度かいわれた「評判とかは2ちゃんねるを見てもらえればバッチリわかりますよ」という愉快な営業トークだったりして。2ちゃんねるでの評判に自信があるなんて、自作自演をする工作員を用意するとか、営業時間外にプライベートで関連スレッドに居付いてサポートをしている苦労人の営業がいるんじゃないかと勘ぐっちゃうんですよね。後者だと考えると必至だな……と、USENでもKDDIでもどちらでもいい自分は面白そうだから契約したわけ。営業が2ちゃんねるで愚痴っている人がいたら必至にサポートする姿を思い浮かべて、契約してもいいかも……なんて思ったんですね。注意してみていると、確かにKDDI光プラス関連のスレッドでは愚痴っぽいのが出ると対処法がさりげなく書かれているような気もする。その2~3割ぐらいは社員なのだろうか? などと想像するとまたネットの楽しみ方が広がる(ような気もする)わけで、新しい視点を教えてもらった授業料と考えるといいかなと。USENと同額だし、転送量制限も規約にないから、会社にこのデータを送るとどれぐらいに……というのを気にせずにすむというメリットもありましたから。あぁ、説明会にはICレコーダーを持って行けばよかった。記憶があいまいでここに記述することはできない面白い話もあったのに。残念。普段からプライベートでも取材の心構えをしてないとダメですね(苦笑)。

久々に2ちゃんねるで「DTP・印刷」以外の板を見に行ってしまった。忙しいから普段は情報集めでDTPのInDesign関連とPDF関連しか見ていないんだけどね。導入後も元通り「DTP・印刷」のみに戻った。

開通まで

仕事の関係で編集部と自宅で50~200MBクラスのデータをやり取りすることが多いと伝え、説明会で契約にサインをする前に何度も念を押したのが開通手順。

  1. 手続き開始の案内
  2. IDとパスワードの通知と開通日の告知
  3. MDF室の配線工事
  4. HGWなどの送付

配線工事がHGWなどの機材より先という点に当然苦情の突っ込み。インターネットに繋がらなくなる期間があるとやばいわけで。これについては間違いなく工事までに機材が届くから大丈夫との回答。開通する日時は明確な返事をもらえませんでしたが、ちょうど進行が片付いたあと頃ということで安心していました。

だがしかし、話とは結構違った感じで「ええ?」っていう事態が続くあたりがKDDIらしいというか。手続きの開始案内は開通10日ほど前にIDとパスワード記載で来て「おや? この通知はまだ先だったんじゃないの?」「で、工事日の情報はないの?」と違和感を覚えました。その次はなんと、いきなり工事当日……。USENの接続が突然切れてVDSLが再リンクする気配もなし。「もしやスケジュール通知なしでKDDIがMDF室で配線工事しちゃったのか?」と思い、管理人室にKDDIが工事に来たのか問い合わせに行こうとしたところで、宅配便業者が「お届け物です」とHGWなどを……。えぇ。開通手順はかなりでたらめでした。工事が突然行なわれ、正式なIDとパスワードの書類はポスト投函(MDF工事をした人が入れた感じ?)、工事日に駆け込みで届く機材。

光ファイバーで出遅れたからとはいえ、契約者数を増やすのを急ぎすぎなのではないかという気がしてならない。説明と違う泥縄的な手順での混乱した開通はうちのところだけなのだろうか? まあ、サービス開始から間もなくて現場が混乱していたのかな。

その後の話(NTT編)

KDDI光プラス開通後、2カ月ぐらいした頃に、集合玄関で戸別にNTTがBフレッツのマンションタイプを売り込んでいた。USENとKDDIだけに情報を与えるのは不公平だと思ったのと、毎月Bフレッツの勧誘のチラシが入るのがウザかったのでNTTの営業と雑談してしまいましたよ(笑)。話した内容は以下のような感じ。とりあえず話題にしたものだけ。

……で、翌週。Bフレッツのマンションタイプのチラシがまた入ったという……(笑)。俺はKDDI契約済みで最低契約期間と料金面で年内は少なくとも検討する気もないと言ったじゃないかよぉ~。ニューファミリーで開通するよう管理組合を説得してくれるなら話は別かもしれないけど……。って、今からではニューファミリータイプはもう検討の必要もなし。今や出社するごとに自分のあずかり知らぬ所で問題を起こしては、「問題が起こったから対処お願い」と責任だけ自分の所へ来ている状況であり、会社不信で一定の距離を取り始めている現在では維持費がアップするようなサービスの契約は難しい。状況が変わらない限り、決定的な決裂は時間の問題っぽいもん。

ついでにいうと翌月は資料が郵送されて来ました。どうして提供した情報を活かせないのかね? そんな余計なコストを電話契約者に負担させるなよ……って、もう光プラス電話でIP電話に置き換えてしまったからNTTの料金は関係ないんだけど。提供した情報をその営業が無視したのか、それとも提供された情報が活かせない体制なのか。いずれにしてもNTTへの情報提供はまったくの無駄でした。